本当の美しさってなんだろう? 私たちを輝かせてくれるコスメは、人にも地球にも、心地よいものでありたい。自分さえ良ければいい、という時代はもうおしまい。3人のビューティエキスパートたちが選ぶ、いま本当に使いたいコスメを紹介します。

サステナブルビューティとは

「最上級のビューティは自然の力、植物の力が与えてくれる」、という考えを提唱し、ビューティ、食、漢方、女性医療など美しいライフスタイルを提案し続けている、美容家の吉川千明さん。1990年代よりオーガニックコスメと植物美容を日本に広げた、ナチュラルビューティの第一人者でもある吉川さんに、いま改めて見つめ直したいサステナブルビューティのことを聞いてみました。

“サステナブルビューティ”“エシカルビューティ”という言葉をよく目にしますが、SDGsしかり、これらが掲げる理念はそもそも当たり前の考え方ですよね。人間がこの地球で生きていく以上、生産活動をやめることはできません。けれど自然を守ることとモノをつくることは、相反する行為です。100%自然を汚染することなくモノを生み出すことは、ほぼ不可能といっていいでしょう。しかし、それはこれまでのやり方と考え方。SDGsは当たり前と言いましたが、環境破壊はあまりに悲惨な状況です。だからこそ本気で、環境のことを考えた経済活動をしない企業はこの先ますます生き残れなくなる、と私は断言します。

そこで鍵となるのが、植物です。鉱物から生まれた地球、すなわち大地はミネラルの宝庫。そこに根を張り大地のエネルギーを受けて生命を宿しているのが、植物という有機物です。植物はオゾンをつくり、酸素を供給し、水を浄化し、食べ物も与えてくれます。植物がいなかったら、私たち人間は生きてはいけないのです。

植物は動物と違ってそこから動くことができないので、その地に根付いて生きていくしかありません。それってすごい生命力、環境適応能力だと思いませんか? もちろん人間にも自然治癒力はありますが、植物のそれには到底かないません。そのことを、私たち人間の祖先は大昔からわかっていて、食したり、薬として利用してきたのです。植物は人間の大祖先、親であり、人間は地球の一部なのです。自分たちの住処である地球に生かしてもらっていることに感謝して、この星を綺麗にしながら生きていくということを本気で考えなければいけません。

そのために環境に負荷を与えないというのは、当たり前のこと。植物を植えて、いい農業をして、きちんと手入れをすれば、植物は喜んで応えてくれます。その植物の偉大な力、私たちに足りない力をいただくことこそ、「最上級のビューティは自然の力、植物の力が与えてくれる」こと、だと思うのです。

いい作物、いい調味料を使って、丁寧に料理をすれば、美味しいご飯ができますよね。それは化粧品に関しても同じです。そして直接肌に触れるコスメだからこそ、自分が愛せて、大切に使いたいと思えることも大事です。

私が思ういいコスメとは、丁寧につくられた商品です。そしてつくり手の思いが込められた、本当に大切につくられたものこそがエシカル。自分だけが綺麗になればいい、なんて時代はおしまいにしましょう。何を選ぶかは、消費者の責任です。自分に対して何をしてくれる? と同じように、地球に対して何をしてくれてる? そんなふうに考えてみませんか。

人生100年時代。仕事も子育ても、まだまだ頑張っていかなければならないのに、自分自身がボロボロでは、楽しめません。人間もきちんと手入れをしていれば、長持ちするものです。自分も地球も愛しみながら、いつまでも輝いて生きていけたらいいですよね。