コロナ後に「元に戻る」のではなく「発展」を

前述のように、オーストリアで学校のオンライン化が進められた先に浮上したのは、「自宅で親が仕事を中断して先生の代わりに教育をする事の是非」「対面と文字のコミュニケーションの違い」「対面イベントの必要性」といった、対面形式の学校教育の持つ根源的な意義への問いであった。

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これらの問いへの結論はまだ出ていない。しかし例えば、今週から始まった上の子の学校の授業では、自宅学習をする半分の生徒が、もう半分の生徒が行う対面授業の中継を見ながらオンラインで授業に参加するという新しい試みが行われており、対面形式にオンラインをミックスさせた新たな教育様式への進化を感じさせる。

パンデミック後に社会が「元に戻る」ことを期待する声が聞かれることがある。しかし私は、領域によっては元に戻るのではなく「発展する」ことを期待したいし、実際にいま次々と生まれている新しい様式がパンデミック後になくなるとは思えない。社会が有事によって変化することは人類の歴史の重要な一部である。そんな次の段階に進んだパンデミック後の世界を生きる子供達のためにも、いま一度、学校教育が従来のかたちのままでいいのか、国、また社会レベルで議論すべきではないだろうか。