新型コロナは、依然として世界中で猛威をふるっており、私たち家族の住むオーストリアも第2波の真っ只中にいる。それでも、外出制限やワクチン摂取などの対策により病院に余裕が生まれてきたことで、規制が緩和され、休校中だった学校が2月15日から再開された。

私たち家族には、Volksschuleと呼ばれる4年制の初等教育過程の子供とGimnasiumと呼ばれる8年制の中等教育過程の子供(いずれも公立校)がおり、また私は仕事(研究職)で大学院生を指導している。そのため私は、オーストリアにおける休校中の措置を、初等教育から高等教育までを網羅して間近で見ることができた。

約1年間にわたり私が見てきたその措置の多くは、日本とは驚くほど異なっている。今回の記事では、各教育過程における休校中の措置の概要や問題点をまとめ、日本が参考にできる点を紹介したい。

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コロナ前から進んでいたオンライン化

まずは、1度目の休校に至る過程がどのような様子だったのか、上の子のGymnasiumの例を紹介する。

オーストリアで1度目の休校が始まったのは、昨年の3月半ばであった。2月下旬に国内で最初の感染者が確認されてからわずか3週間後のことである。休校を政府が発表したのは、休校開始から5日程前であったが、この時点で、医療従事者の親を持つ子供へのケアなどのために学校を一部開けておくことも決定しており、政府の発表と同日のうちに、学校ではケアが必要になる生徒を確認するアンケートが行われた。

その後学校では、休校中はEメール及びMicrosoft Teamsを用いて課題が出されることが決定されるなど、休校初日から自宅学習が始められる体制が急ピッチで整えられた。

写真はイメージです〔PHOTO〕iStock

ここで注目したいのは、上の子の学校では、ロックダウン以前から生徒全員のeメール及びMicrosoftのアカウントが作られていた点だ。これらを用いて普段からオンラインでの課題のやり取りが行われていたので、わずか数日で対面授業からオンラインへの切り替えができたのだ。

実際に休校が始まってからは、大きな混乱もなく自宅学習が進められた。最初の休校の際の自宅学習は、週の初めに教科ごとの課題がまとめて出され、課題を行ったプリント等をスキャンしてメールで提出するかたちで行われたが、必要に応じて学校でプリント等の受け渡しをすることも可能であり、全ての生徒が個々の環境に合わせて学習を行える対策がなされていた。