# 移住

定年後に1500万で田舎に移住…「意外すぎる騒音」で地獄を見た、元役員の末路

考えてもみなかった落とし穴
柴田 剛 プロフィール

東京から150km、信越道と新幹線という二大インフラが整備され、インターから車で10分走っただけで、浅間山の火山灰の大地の上には適度な木立が広がっている。

傍には渓流が流れているのも魅力だった。

「太公望をやってみたいな、と。たとえ釣れなくても、一日中、釣り糸を垂れて、若い頃の思い出に浸りながら老いて行ければ幸せだなと」

 

寝付けなくなったワケ

Aさんのそんな思い描いた移住生活は、「これは、誰のせいでもなく、僕自身の感性によってね、無理だと思った」ものだったという。

自身でも神経質だと認めるAさんは、夜でも物音ひとつですぐに目が覚め、寝付けなくなってしまうのだった。

深夜、とばりが下りるとともに、闇のなかに立ち現れるのは、期待した静寂ではなかった。

「家内と暖炉に薪をくべながら、おしゃべりしたりしている時はいいんです。問題は、布団に入ってからが」と、Aさんは笑う。

深夜、そばを流れるせせらぎの音が、じわり家の中に入り、耳に届くのだ。

「不思議なことに、耳って、一度音を拾うともうずっと意識しちゃうものなんですね」

車の音もなく、雑音のない森の中で、水の音はこれほどまでに大きいのかと思うほどに、脳裏に響いてくる。

「水道ではなく、川だから、蛇口を閉める訳にもいかない」

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