10年で株価160倍!「頭がおかしい」アイデアにイーロンは賭けた

テスラモーターズという革命(1)
アシュリー・バンズ プロフィール

「これはダメですな」

2003年1月、テスラの3人は資金調達のため、ベンチャーキャピタルまわりを開始する。投資家にリアリティのある話をするため、ACプロパルジョンからtzeroを借り、ベンチャーキャピタルがひしめくサンドヒルロードに乗りつけた。フェラーリよりも加速力がある電気自動車。それだけでも投資家にはぐっとくる謳い文句だった。

 

ただ、ベンチャーキャピタルの連中はそれほど想像力が豊かなわけではない。安っぽいプラスチック仕上げのキットカーを目の前にして、その先に生まれるであろう高級車の姿を想像してもらうのは無理があった。反応してくれたのは、コンパス・テクノロジー・パートナーズとSDLベンチャーズだけだったが、どちらもあまり乗り気ではなかった。消極的ながらもコンパスが手を挙げたのは、同社が、彼らが以前に手がけていたヌーボメディアに関わって利益を上げたことがあり、創業者の2人にはそれなりの恩義を感じていたからでもある。

「『これはダメですな。でも、まあ、この40年、弊社は自動車ベンチャーにはもれなく投資してきたので、今回もお断りはしませんがね』と言われてしまって」とターペニング。多少の足しにはなったが、とても足りない。テスラとしては、試作車開発に必要な700万ドルの大部分をポンと出してくれるメインスポンサーが必要だった。そこまでたどり着けば、現物を使って売り込みができるので、資金調達もスムーズに進むという計算だった。(翻訳 斎藤栄一郎)

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