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テスラモーターズという革命(1)
アシュリー・バンズ プロフィール

新会社「テスラモーターズ」を立ち上げ

2003年7月1日、エバーハードとターペニングは新会社「テスラモーターズ」を立ち上げた。電気モーター技術に道を開いた発明家のニコラ・テスラに敬意を表したものであり、同時に響きがよかったことも採用の理由となった。

ニコラ・テスラ Photo by GettyImages
 

数ヵ月後、イアン・ライトというエンジニアが入社する。ライトもまた、電気自動車の可能性を夢見ていたが、身近な友人らに事業プランを話しても、いつも一笑に付されるばかりだった。

一からクルマの設計・製造を行うには、当然ながら幾多の困難を乗り越えなければならない。テスラの創業者らもそのことは重々承知していた。電気モーターの動力を車輪に伝えるドライブトレーン(動力伝達装置)の開発は決して不可能ではないとエバーハードらは考えた。自動車本体や関連部品の製造工場を造るのも大きなハードルだと彼らは思っていたが、自動車業界を調査しているうちに、実は大手自動車メーカーでさえ、もはやクルマの製造にはほとんどかかわっていないことに気づく。

「BMWはフロントガラスも内装もバックミラーも作っていなかったんです。大手が今も手放していない部分は、内燃機関の研究、クルマの販売、マーケティング、最終組み立て工程だけでした。素人なもので、全部同じ業者から部品を調達できると僕らは思ってたんです」とターペニングは笑う。

テスラ社が考えたプランは、ACプロパルジョンからtzeroの技術のライセンス供与を受け、英国のスポーツカーメーカー、ロータスの「エリーゼ」のシャーシ(車体を支える台)を車体に採用するというものだった。ロータスは1996年に2ドアのエリーゼを発売、車高を抑えた流れるようなデザインで高級車ファンの心をつかんだ。カーディーラー業界の関係者の話を聞いた末に、パートナー経由で販売するのではなく、直販方式にこだわることに決めた。

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