米バイデン大統領が選ぶ欧州パートナー、まさかの「米仏ライン」の可能性

イギリスでも、ドイツでもなく
歳川 隆雄 プロフィール

マクロン仏大統領に対する手厳しい批判

我が業界に即して言えば、トッド氏の学究的なアプローチは「調査報道(Investigative Report)」の手法である。

因みに、筆者は70年代半ばに知己を得た在日米人ジャーナリストのジョン・G・ロバーツ氏(故人)からこの言葉を教わり、且つ君は「muckraker(不正追及者=米ジャーナリズム業界用語)」を目指しなさいと諭された。

実は、ロバーツ氏は「公開情報収集モンスター」と呼ぶべき人物であり、半端ではないその収集癖に、当時の筆者は驚かされたのである。そして件のトッド氏もまた凄まじいほどのデータ・統計(数字)収集を、ご自身の言葉を借りれば「趣味」として永年続けてきた歴史学者でもある。

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ここで指摘すべきは、トッド氏のエマニュエル・マクロン仏大統領に対する手厳しい批判である。尋常ならざる表現でのマクロン氏批判が本書に散見できる。次のように書いている。奇しくも、両氏のファーストネームは同じ「エマニュエル」だ。

「たとえば、マクロンは適当なことばかり言います。そして彼はフランスが世界のなかでも権威を持った国であり、アメリカや中国、ドイツやロシアと比較される大国であると言います。これが現実とすっかり離れてしまっているデカルト的な視点なのです。まさにフランスの文化的脆弱性とも言えるのではないでしょうか」――。

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