約13年間のOL生活に終止符を打ち、2014年にライターに転身。2020年のデンマーク留学を期に、活動拠点を北欧に移した小林香織さんの連載。小林さんが暮らすフィンランドでは、既婚者の80%が幸せを実感しているデータがあるという。そこで、離婚を経て2度目の結婚をした現地人女性にインタビューを試み「満足度の高いパートナーシップ」の築き方を探るべく、話を伺った。

リクルートブライダル総研の「夫婦関係調査2019(※1)」によれば、日本人の20代~60代の既婚者のうち、68.4%が「夫婦関係に非常に満足、または、やや満足している」と答えた。一方、フィンランドで数十年にわたりセクシャリティや人間関係の研究を行う社会学者のOsmo Kontula氏は(※2)、「フィンランド人の既婚者は、5人に4人が幸せか、やや幸せと答えている」と話す。これは既婚者の80%に当たる。

両国間の結婚の制度や価値観にはいくつかの違いが見られるが、何がパートナーシップの満足度を高めているのか。同国で1度の離婚を得て幸せな結婚生活を手に入れたフィンランド人、Varpuさんにフィンランド人の結婚の価値観、幸せなパートナーシップの築き方を聞いた。

※1 https://souken.zexy.net/research_news/couple.html

※2 https://yle.fi/uutiset/osasto/news/90_of_married_people_in_finland_happy_in_their_relationship/9459557

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片方の意思で離婚できるフィンランド

前提の共有として、フィンランドの結婚・離婚のシステムと離婚率の状況について触れておきたい。フィンランドでは、以下3つの婚姻制度が存在する。

1、異性間の結婚制度(法律婚)
2、同性間のパートナーシップ制度
3、異性、または同性間の共同生活(事実婚)制度

1の法律婚と2のパートナシップ制度では、姓の選択や養子の受け入れ、財産分与などの法律が関わってくる。3の事実婚は届けを提出せず同棲を始めるケースも多く、20代のカップルは約7割が事実婚を選ぶと言われている。

フィンランド北部・ラップランドで撮影したVarpuさんのウェディングフォト。結婚式はフィンランド人にとっても特別なイベントだ Photo by Miika Hämäläinen

離婚についても大きくシステムが異なり、どちらか一方の意思のみで離婚が成立する。夫婦の片方が離婚申請をした後、6ヵ月の再考期間が与えられ、その後、再び離婚申請をすると離婚が成立する。ただし、離婚申請以前に2年間以上の別居期間があれば、再考期間を待たずに離婚ができる。

総務局統計局が発表する1000人あたりの離婚率(※3)は、日本の1.7人に対してフィンランドは2.5人(いずれも2018年時点)。日本では1年間の離婚件数を婚姻件数で割った数字を参照して、3組に1組が離婚するとも言われる。フィンランドの統計局の発表(※4)では、1989年に入籍した夫婦のこれまでの離婚率は42.1%、1990年~1993年に入籍した夫婦も40%を超えており、日本に比べ離婚率が高い。

デンマークやスウェーデンなどの近隣国も同様に離婚率が高いことから、女性が経済的に自立しやすい高福祉の社会システムが離婚率の高さに影響しているかもしれない。

生涯未婚率に関しては、総務省統計局「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」によると(※5)、日本もフィンランドも同様に上昇が続いている状態だ。

※3 https://www.fi.emb-japan.go.jp/files/100093583.pdf

※4 https://www.stat.fi/til/ssaaty/2019/02/ssaaty_2019_02_2020-11-12_tie_001_en.html#:~:text=Correspondingly%2C%201.7%20per%20cent%20of,relatively%20big%2C%2029%20per%20cent

※5 https://www8.cao.go.jp/kourei/kihon-kentoukai/k_1/pdf/s5-2.pdf