日本人の家族が、外務省から突然「ビザを剥奪」されていた…!

外国籍の配偶者が入国を拒否されている
楠本 瀧 プロフィール

そもそも、緊急事態宣言を理由とするなら、宣言を発出するのと並行して措置を開始すべきであって、発令後2週間以上経過してから実施するのはなぜだろうか。全体として非常に稚拙な対応であり、外国籍配偶者等やその日本人家族を愕然とさせるには十分であった。

また、外国籍配偶者等やその日本人家族だけではなく、在外公館の職員にとっても寝耳に水であったようだ。中には、査証申請者が職員から今回の措置の説明を受けた際に、職員から平謝りされたというケースもあったようである。公の告知どころか、省内でのコミュニケーションすらきちんとされていたのか疑問である。

 

連携が取れていない

第二に、厳格化措置の実施にあたり、入管を含む他省庁との連携が十分にとれていないように見えることである。

外国人の新規入国においては、((1)入管にて在留資格認定証明書を申請・受領する)→(2)居住地の在外公館(外務省)にて査証を申請・受領する→(3)空港等で入管の審査を受け入国する、という手続きを経る必要がある。出入国管理は入管・外務省にまたがる領域であるために、これまでの入国制限の厳格化及び緩和に際しては、入管・外務省は基本的に事前調整を済ませた上で、両者がそろって新しい対応を開始するのが通常であった。

だが今回の事例では、「特段の事情」の内容を所管する入管では、しばらくその内容に変更は見られなかった。要するに、(1)や(3)は従来通りであるのに、(2)のみが、突然厳格化されたという状態が続いたのである。その後、入管はいつの間にか文書の差し替えを行い、外務省と同趣旨の文言を赤字で追記したが、少なくとも2月5日時点まではこの追記はなかったことが確認できる(ウェブアーカイブ)。外務省と入管の相互の連携が十分にとれているのか、疑問なしとしない

もっとも、厳格化措置が導入された今でも、「真に緊急で入国する必要がある」場合には、ビザが発行されることになっている。しかし、現在までの審査の実態を見ると、在外公館の職員が無理な理屈をこねて消極的姿勢を示したり、「真に緊急」であるのにやたら審査に時間がかかると強調したりしたとの情報がある。

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