ローカルがグローバルになる
「動画発信」の可能性

新しい生活の中で現在のご主人と出会い再婚、そして出産。心から幸せを感じる生活の中でまた、新たな気持ちの芽生えと違和感を感じたと言います。

「本音で話せて自分をさらけ出せる夫との間に娘が生まれ、とても幸せな日々を送っています。ですが同時にはじめての育児に家の中で奮闘していると、段々と社会から切り離され孤立していく感覚が日に日に増していきました。今日も夜泣きで眠れなかった、今日も誰とも話さなかった、疲労と焦りが募っていく中、海外のYouTuberの方から「日本に暮らすママと赤ちゃんのリアルな一日を密着取材したい」と依頼がありました。収録された動画が公開されると、世界中の人たちからの共感と励ましの声でコメント欄が埋まっていきました。私がローカルだと感じていたことは、グローバルだったんだ。驚きとともに皆さんからの共感の声に孤独感が薄まり、発信することで世界と繋がれるんだと感じました」

夫・MOTOと娘・SUTANと一緒に新年のご挨拶をしたとき。写真提供/MOE

一説には投稿された99%の動画は再生すらされないといわれている動画プラットフォームサイトのYouTube。チャンネル開始後1年で登録者数70万人という驚異のチャンネル登録者数を誇るものの、YouTuber「Kimono Mom」は意図して生まれたものではなかったと言います。

「動画なら私の好きなお着物とお料理、そして子育てをしているリアルを、同じように育児に励んでいる世界のどこかにいる人たちに届く。私を育んでくれた日本の食文化や着物文化を世界の視聴者さんに知ってもらえる。育児中だからこそ表現できる自分らしさ。これだ、と感じました。

YouTubeでは料理、着物以外に私たち家族の日常生活についてもお届けしています。写真提供/MOE

テレビもYouTubeも見なかった私が、一から勉強して動画編集から字幕の英語翻訳まで全て自分でやっています。10分の動画を作るために、使う時間は30時間。子供が寝た後や家事の合間といった隙間の時間でやっています。『大変でしょう?』と聞かれることもありますが、週に一度投稿する動画を楽しみにしてくれている人がいることがとてもうれしく、やりがいのある時間を過ごせています。まだ小さい娘との時間に、くたびれてしまうときもありますが、子育ては思い通りにならないもの。しんどさや疲れを溜め込まないよう、気にしすぎないように心がけています。

SUTANが生まれて間もない頃。いつの間にかソファで寝落ちすることも(笑)。写真提供/MOE

チャンネルを開設して2月でまだ1年。こんなにもたくさんの人に見ていただけるチャンネルになるなんて想像もしていませんでした。かつてしまい込んでいた「私らしさ」を叶える場所は、私自身が思いもつかなかった動画配信の世界でした。自分を表現することを恐れずに踏み込んだ動画の世界でこれから自分がどのように成長していくのか、私が一番楽しみです」

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提供:リクルートスタッフィング

取材・文/松さや香