2021.03.02
# 生態学

体温13.7℃からの蘇生、127℃に20分間耐える…人間と温度の奇妙な関係

あっと驚く科学の数字をご紹介
数から科学を読む研究会

体温とは何か

ヒトの体温はなぜ約37℃なのか。体温が高いほど代謝が高くなり、効率的にエネルギーを生み出せると同時に、病原菌の増殖を抑えることができるからだと考えられている。体温が1℃上がるごとに、増殖する病原菌の種類が6%減少するというデータもある。

高いほど良さそうにも思えるが、体温が42℃を超えると身体を構成するタンパク質の変性が起き、代謝をおこなう酵素の働きにも障害が出てきてしまう。酵素の至適温度が37℃付近であることも重要である。つまり、42℃という生命に危険な温度まで余裕があり、かつ生命活動をおこなうために十分に高く、酵素にも最適な温度が37℃であると考えられている。

この理想の体温を保つために、体はどのようなシステムを持っているのだろう。たとえば、裸で寒い環境にいれば、手足の温度は下がり、肌表面の温度は20℃近くまで下がることがあるが、体温は37℃から1〜2℃しか下がらない。一方、激しい運動をして体内で生み出される熱が大きいとき、筋肉の温度は40℃近くになることもあるが、体温は1〜2℃しか上がらない。

汗をかくことも体温調節のための機能だ Photo by Patrik Giardino

この体温調節を担っているのが、脳の中心部にある視床下部の体温調節中枢である。この体温調節のシステムをたとえるなら、視床下部が指令を出すコンピュータで、血液は冷却溶媒あるいは加温溶媒、心臓はそれらを循環させるポンプ、肌は放熱するラジエータといえる。

寒いときは、皮膚周辺の血管が収縮して表面付近をめぐる血液を減らす。つまり体表で冷やされる血液量を減らすことで、冷やされた血液が体深部を冷やし体温が下がる、という事態を防ぐ。

一方暑いときは、皮膚表面の血管を拡張させ、できるだけ血液を体表面で冷やし、体内の熱を放出しようとする。暑いときに顔などが赤くなるのはこのためだ。また、汗をかくことで体温を下げることができる。濡れた肌に風が当たると涼しく感じるだろう。これは、汗が水蒸気となるときに体から熱を奪う、吸熱反応が起こるからである。

(本記事は『あっと驚く科学の数字』の内容を再編集したものです)

関連記事