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体温13.7℃からの蘇生、127℃に20分間耐える…人間と温度の奇妙な関係

あっと驚く科学の数字をご紹介

人間はいったい何℃まで耐えられるのか? なぜヒトの体温は約37℃なのか?
森羅万象を科学の数字から読み解いた『あっと驚く科学の数字』から、今回は体温にまつわる驚きの数字をご紹介します。

ヒトの体温の限界

ヒトの体温は約37℃。ただしここでいう体温とは、ふだん脇の下などで測る体温(体表温度、皮膚温)ではなく、臓器など体の深部の組織の温度(深部体温)を指す。体表温度は36℃台半ばなので、それよりは若干高い。

体温は健康の指標であり、生命活動の証拠だ。私たち人間を含め恒温動物の体温は一定に保たれるようになっており、急激な変化は命に関わる。では、環境に対して体温はどう変化するのだろうか。体温の極限はどのくらいだろうか。

寒さに関しては、体温が35℃を下回ると低体温症になり、体が激しく震え、筋肉の動きに支障が出始める。32℃より下がると、筋肉が熱を生成しなくなり、体温が急激に下がり始め、30℃を下回ると意識を失う。

しかし、体温が13.7℃まで下がったにもかかわらず蘇生した例がある。ノルウェーの29歳の女性が凍りついた滝つぼに落ち、救助されるまで1時間10分も氷水に浸かっていた。その後蘇生に成功し、5ヵ月後には完全に復活したという。氷水に全身が浸かると、代謝が大幅に下がる。すると酸素の消費量がほとんどなくなり、蘇生措置をとると生き返るということらしい。

雪山の遭難事故でも低体温から蘇生した事例は知られている Photo by Mumemories/iStock

これと似たような現象としては熊の冬眠がある。ヒトにとって、命を落としてもおかしくはない状況にありながら、逆に低体温が命を救ったこの事件例に、身体の不思議とたくましさを感じずにはいられない。

ヒトが耐えられる低温の定義は難しいが、たとえば外気が12℃になると手先の動きが鈍くなり、8℃より低くなると皮膚の触感が鈍る。

また、気温だけでなく風の影響を受ける「体感温度」が低いほど体温が奪われやすくなることもわかっている。

湿度を65%として、マイナス25℃でも無風であれば耐えられるが、風速5メートル(樹木の葉が揺れる程度)の風があると体感温度はマイナス44℃になり、肌表面は1〜2分で凍りつく。

風速17メートル(樹木全体が揺れるほどの強い風)になると、体感温度はマイナス54℃にもなり、いずれ肉が凍りつく。南極の冬は気温マイナス30℃で風速50メートル以上の風が吹くこともあるため、特別な装備なしでは瞬時に命を落とすことになる。

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