日本は「怖い国」だって…? ある「在日コリアン」が直面した「強烈な違和感」

ニューカマーたちの「リアル」
崔 碩栄 プロフィール

メディアへの違和感

今日、韓国で生きる人々は、既に来日し、日本ですでに生活しているニューカマーの韓国人から驚くほど多様な情報を得ているのであり、それが新しいニューカマーを誕生させる要因になっている。

だから日本生まれの在日たちが母国に向かって「いつ殺されるかわからない」の物語を語ろうとしないのはそんな話が通じるはずもないことを知っているからではないのかという気がしてくるのである。

 

これは韓国人だけのことではないが、人間は生命(いのち)の危険と利害得失に敏感な動物であるらしい。

危険であれば近寄ろうとはしないが、多少の危険はあってもそこに何かしらの利点があると思えたら、その損得を天秤にかけて有利な方を選択する。

そしてそのことをよく教えてくれるのが他でもない在日韓国・朝鮮人の動きであるように思える。日本での差別と苦境を乗り越える方法としてある時期に北朝鮮に渡っていた在日がかの地の「恐怖」を察知するやその流れをピタリと止めたのも、今日、観光や仕事のために来日し永住を決める韓国人が伸びているのもどこかで韓国人の生命本能と関わっているような気がする。

私は日本が地上の楽園のような国だとは思わないし、外国人に対する差別やヘイトとは無縁の国だとも思わない。

しかし、日本の一部メディアや著名人たちがオールドカマーの在日の口を借りて伝えるような「恐怖」は明らかに誇張されたものである。それを日本の全体的な雰囲気のように語るメディアの態度にも問題がある。少数者の語りにわれわれが敏感であるのは好ましいが、少数者に被害者性を期待しすぎると、それに過剰に応えようとする者が、ときに出現してくることにも注意したい。

編集部からのお知らせ!

関連記事