2021.02.25
# 学校・教育

競争率は上がる? 下がる? コロナ禍の2022年度中学受験、傾向と対策

令和の中学受験 保護者のための参考書(14)
矢野 耕平 プロフィール

わが子の「電車通学」に抵抗感!?

経済的な苦境だけではありません。

「新型コロナウイルス」という目には見えない「感染」に悩まされていることを踏まえると、これもまた中学受験に影を落とすことになるのです。

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たとえば、私立中高一貫校に通学している生徒の大半は「電車通学」です。

今後コロナがいったん終息に向かったとしても、いつぶり返すか分からないウイルスのことを気に掛けると、わが子を満員電車に乗せて遠くの学校に通わせたり、ターミナル駅で乗り換えさせたりすることに、抵抗感を抱いてしまう保護者が多いのではないでしょうか。

コロナ禍が中学受験にとって相当の逆風であることが分かります。

それでは、リーマンショック後のような中学受験市場の低迷期が到来するのでしょうか。「学校から選ばれる」入試から「学校を選ぶ」入試へと再び戻るのでしょうか。中学受験生保護者の中には、わが子の志望校の間口が広くなるのではないかと期待される方がいるかもしれません。

ここからはわたしの個人的な予測ですが、中学受験市場が急速に冷え込むようなことはないのではないかと睨んでいます。いま以上に中学受験が活況を呈することはないでしょうが、その市場はゆるやかに縮小する程度ではないでしょうか。

世界的な経済的損失がこれほどまでに問題視されているのに? と訝(いぶか)しく思われる方もいるでしょう。

確かに、コロナ禍による景気の低迷のみを取り出せばそう言えるのでしょうが、このたびの緊急事態は、私立中高一貫校が見直される契機にもなったのです。

コロナ禍で休校を余儀なくされた期間、公立と比較して私立中高一貫校の多くは(学校によってその「温度差」はありますが)オンラインを活用した学習システムを迅速に導入し、生徒たちの学びに日々寄り添ったことが大きな話題になりました(そもそもオンライン学習の環境が整えられていた学校が多いのです)。

私立中高一貫校の新たな魅力がコロナ禍により図らずも見えてきたのですね。

加えて、東京都教育委員会の「令和2年度 教育人口等推計報告書」によると、東京都の児童数は令和6年度まで緩やかながら増加していくという予測が立てられています。

とりわけ中学受験率の高い都心部(中央区、港区、文京区など)の児童数の増加率は高い傾向にあります。

中学受験人口は一気に落ち込むことはないとわたしが考えているのは、このような理由があるからです。

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