2021年2月。アメリカで公開された、ある一つのドキュメンタリーがインターネット上を騒がせた。『Framing Britney Spears』と名づけられたその番組は、歌手のブリトニー・スピアーズが長年に渡ってメディアから受けた酷い仕打ちや、精神的に追いつめられた彼女の私生活にまつわるトラブルなどを映し出していた。

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彼女を“ゴシップの女王”にしたのは誰か

2000年代初頭に高校生だった僕にとって、ブリトニー・スピアーズは人生で初めてハマったアイドルだ。1998年に彗星のごとく現れ、世界的スターの座まで一気に駆け上がる光景をリアルタイムで見てきた。そして、頂点を極めた彼女が徐々に“ゴシップの女王”のように扱われはじめ、やがて音楽活動が不可能な状態になるまで壊れていく様も――。

2009年頃、彼女が様々なトラブルを乗り越え、再び第一線に戻ってきた際、日本の雑誌でも彼女のカムバックについて書いている記事があった。そこに記されていたのは、「音楽ビジネスの犠牲者」と彼女を形容する言葉。かつて世界で一番愛された少女は、どうして世界で最も嘲笑を集める存在にならなければいけなかったのか。

『Framing Britney Spears』の内容で特に反響を集めたのは、メディアによる彼女への女性蔑視的な仕打ちだった。