研究室に欲しい! 実験の相棒「マイクロピペット」の最新トレンド

世界最軽量ピペットの開発者を直撃!
リケラボ プロフィール

マイクロピペットのトレンド今昔

──ここまでマイクロピペットの最先端製品について伺ってきましたが、新製品誕生の裏側には歴史的な紆余曲折もあったはず。今回はぜひそちらについてもお話を伺いたいです。そもそも、軽さを追求しようとされたきっかけには、どのような経緯や背景があるのでしょう?

高野さん:ピペット業界で製品に軽さが求められるようになってきたのは、ここ10年ほどの話なんですね。いわばひとつのトレンドのようなものですが、その背景には2つの要素があると思います。

ひとつは、技術の進歩によりどのメーカーさんも精度や機能性の高さにおいては一定水準を満たすのがある程度当たり前になってきたこと。それによって、今度はいかに軽さを求めていくかという流れが生まれました。もうひとつが、近年、女性の研究従事者の方が増加していることですね。

──なるほど。では、さらに昔をさかのぼればそれぞれの時代ごとに異なるトレンドがあったということしょうか?

高橋さん:もちろんありました。端的な例でいえば、今では連続的に容量の設定ができるデジタルマイクロピペットが主流になっていますが、私が学生だった頃なんかはそれこそ口で液体を吸い上げるホールピペットを使っていました。

──現在では口で液体を吸うのはほぼ見かけない光景ですが…「懐かしい!」と思う読者の方もいると思います。

高橋さん:マイクロピペットの登場以降でも、時代に合わせてピペットは様々な進化を遂げてきました。ここからはあくまで弊社製品の歴史ということにはなりますが、ニチリョー初のマイクロピペットは1975年に誕生した「JUSTOR U&V」で、こちらは単容量のUタイプと5段可変タイプのVタイプになります。この当時はまだチップエジェクト機構がなく、血液など採取したチップは手で外していました。

1980年に発売された「JUSTOR 1100 F&V」ではチップエジェクター機構を備えた形で新たに登場しました。さらにその後、1983年発売の「JUSTOR 1100DG」で、容量を連続的に変えられるようになっています。チップがワンタッチでエジェクトできるようになったのもこの頃。ちなみに「JUSTOR 1100DG」は、2020年3月まで製造されていたベストセラーモデルです。このように、まずは柔軟に容量設定できる機能が広まっていきました。

高野さん:その後、1988年には現在の当社のスタンダードモデルである「Nichipet」シリーズの元になった「MODEL 5000」が登場します。

ニチリョー「MODEL 5000」

──手になじみそうな、見慣れたデザインです。

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