AmazonやGoogleが、「雑談できるAI」を熱心に研究する“超現実的”な理由

雑談を通して「人間」がわかる
東中 竜一郎 プロフィール

雑談で得られるユーザ情報

このラベル付けの結果、「自己開示」に関するものが最も多い(大体40%程度)ことが分かりました。内訳としては、自分自身の事実(たとえば、出身や職業など)に関する自己開示、好きなものに関する自己開示、嫌いなものに関する自己開示の順で頻度が高いという結果でした。

自分の話をすることで、相手も自分のことを話してくれるようになります。そして、これはAIと人間の雑談でも同じであることが分かっています。Alexaの対話データを用いた研究でも、Alexaが自己開示をすると、ユーザがより多く自己開示をすることが示されています。これを自己開示の返報性といいます。

Amazonのスマートスピーカー「Alexa」[Photo by iStock]
 

AIにも色々ありますが、ユーザに合わせた挙動をすることが必要とされる場面が多くあります。YouTubeであれば適切なおすすめ動画を表示したり、Amazonであればおすすめ商品を提示したりします。的確なおすすめをするためにはユーザについてよく知らないといけません。AIと人間が雑談をし、仲良くなればなるほど、パーソナルな情報が得られる可能性があるのです。

現状のAIは、ユーザの視聴履歴や購買履歴などからおすすめを推測しているに過ぎません。ユーザが特定の動画を見たかどうか、特定の商品を買ったかどうかということに比べて、雑談から得られるユーザに関する情報は、断然多様です。こうした情報を駆使することで、よりユーザに沿ったおすすめができるようになります。

適切なおすすめができるようになると一層ユーザに信用してもらえるようになります。

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