発達障害グレーゾーンとは? 生きづらさを乗りこなす当事者たちの人生術

発達障害という言葉が世の中に広く知られるようになったことで、ネットや書籍でセルフチェックできる機会も増えています。実際に、林寧哲先生、OMgray事務局監修の著書『大人の発達障害 グレーゾーンの人たち』によると、自分は発達障害ではないかと疑いをもち、精神科や心療内科の受診者が増えている一方、発達障害の診断はとても難しく、明確な診断を下せないことも多いそうです。生きづらさを抱えた“発達障害グレーゾーン”と呼ばれる人たちは、日々をどう乗り切っているのでしょうか。当事者たちの声を集めた本書から、そのアイデアを特別に一部抜粋してご紹介します。

 

医療機関で「発達障害の傾向がありますね」などと診断された人たちがいます。発達障害の「傾向」とは、発達障害とはいえないが、健常でもない、その中間だという診断です。このゾーンをグレーゾーンといいます。また、このゾーンにいる人を「グレーゾーン」ということもあります。

発達障害でよく知られているのが、①自閉スペクトラム症(自閉的特性をもっているために生活に支障をきたす)、②ADHD(注意欠如・多動症。特に仕事を進めるうえで困難が多くなる)、③LD(読み・書き・計算などのうち、特定のことだけが極端にできない)の3つです。

グレーゾーンは「なんとなく生きづらい症候群」と名づけることができそうです。発達障害ではなく、健常ともいえない。明らかな理由がないのに生きづらいのです。対人関係がうまくつくれず、社会に不適応を起こし、困難をかかえて悩んでいるという症状からみると、グレーゾーンの人たちは、「なんとなく生きづらい症候群」の重症患者といえそうです。

グレーゾーンの人たちはどのような悩みを抱えているのでしょうか。当事者たちの声の一部を抜粋します。

【人間関係の悩み】
●友だちと疎遠になりがち
・連絡先を交換しても、なにを送っていいかわからず、疎遠になってしまいます。

●雑談が疲れる
・「聞きながら考える」ことが苦手で、「どう思う?」と急に言われても、とっさに言葉が出てこないことが多いです。

●相手を傷つけることも
・細かいところも納得がいかないと理解できないので、ずっと質問しつづけ、相手に不快感を与えたことがあります。

【仕事の悩み】
●指示が理解できない
・「簡潔にまとめて」の簡潔とは、どの程度の量? まとめる時間? 具体的に指示してほしいです。

●仕事のイメージがつかめない
・想像することが苦手なので、仕事の点と点が結びつかず、目的がわからないことがあります。

●段取りができない
・焦って、最後の確認を怠ってしまいます。失敗したと思ったとたんパニックになります。

発達障害の特性のひとつに、コミュニケーションの障害があります。グレーゾーンの人はコミュニケーションはとれるのですが、人間関係を続けることが難しく孤立しがち。孤独感に苦しみます。また、ほかの人は自分ができないことを平然とできているため、疎外感にも苦しみます。

また、仕事では、グレーゾーンの人は限界まで一生懸命働いていても、特性ゆえの困りごとが頻発します。自分ができないことを知っているので、なんとか職場にくらいつこうと、がんばっています。それでも怒られたり、呆れられたりすることが多いので、職場では常に緊張しつづけ、疲労困憊してしまいます。

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