コロナ後の「岡山首都移転」を、『首都感染』著者が力説する理由

「道州制」はどうだろう?
高嶋 哲夫 プロフィール

いざ岡山県と決めて、さあ具体的な場所はどこだ、と考えました。地図を眺めていると中央辺りに台地がある。吉備高原です。3000万年以上動いていない頑丈な岩盤で、それなりの広さがあります。よし、ここに首都を持ってこよう。

こうして『首都崩壊』を書いた縁で、岡山で講演する機会、個人的にも話をする機会が多くなりました。そこで、何度も話をするのが面倒になり、『首都岡山』を書き上げました。

 

最初は、いずれ本気で考えてほしい、という思いでした。しかし新型コロナウイルスの感染拡大で、今が「そのとき」だという思いが強くなりました。

少子高齢化、人口減少、地方の過疎化、都市部の地価上昇……日本が抱えている問題は多々あります。その多くが東京一極集中に何らかの関係があります。さらに、近づく東京直下型地震、南海トラフ地震。

ますます本気で「首都移転」を考える必要があります。これは「新しい日本の形」につながるものです。

狭いようで広い日本

2020年からのコロナ禍は、日本に多くの教訓を残しました。

昨年1月以降、テレビや新聞では日々コロナウイルスの感染者数と死者数が発表されています。多くが東京や大阪などの人口密集地に集中しています。

僕は神戸に住み、月に何度か実家のある岡山に帰省する生活を送っていました。

僕の印象は、地方は東京・大阪のような大都市に振り回されているということです。政府と専門家、マスコミの目線は常に大都市です。地方はその方針に従わざるを得ませんでした。

神戸の田舎に住んでいると、「コロナ」の単語を聞くことはほとんどありません。

東京で千人単位の感染者が出てからも、地方の県では感染者数がゼロ、あるいは一桁のところもあります。にもかかわらず、政府は東京中心に多くを決めてしまいます。感染者ゼロであっても、学校休校、自粛生活を要請されました。

地方でも自粛生活が要求された(photo by iStock)

そのため、日本全体の経済が沈下しています。失業者、自殺者の増加、飲食業、旅行会社の倒産などさまざまな問題を引き起こしています。

東京の感染が大きくなれば、『首都感染』のように、東京のみをロックダウンし、それ以外の県は通常の経済活動をしながら東京を支えていくことも可能です。「日本は狭いようで広い」のです。

しかし、東京の事情で日本全体の経済活動がストップしてしまったのが現状です。

東京を筆頭に大都会の「恐怖」が、ほとんど感染者のいない地方にまで影響を及ぼしていったのです。その「恐怖」が地方への蔓延を防いだと言われれば、ある意味悲しいことです。

地方の実情をもっともよく理解しているのは、その地方です。コロナの状況についても、さらに産業、文化、習慣についても理解し、正しい方向を示すのは地方自身です。

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