綾瀬はるか、広瀬アリス、中条あやみ…冬ドラマがどこか「異様な雰囲気」を持っているワケ

堀井 憲一郎 プロフィール

いい意味で「軽い」

タイムスリップものには、博士じみた人物がよく出てくる。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』におけるブラウン博士みたいな存在である。

『知ってるワイフ』でも生瀬勝久が演じる“謎の男”が何かしらの科学的な秘密を握っていそうである。

おそらくタイムスリップものの端緒が「19世紀の科学ブーム」にあるからだろう。科学方向からのアプローチしたがる傾向がある。まあ、無理設定をカムフラージュするために科学の看板を借りてるだけと見ることもできますが。

いっぽう「入れ替わりもの」は、科学的な説明はされない。

 

『天国と地獄〜サイコな2人〜』でも、奄美大島の伝説をもとに、満月の夜の不思議な出来事として処理をしている(のだとおもう)。

月と太陽のアナロジーを使っているところを見ても、これは人類古来からのファンタジーのひとつなんだろう。12世紀の王朝期の「とりかえばや物語」的なモチーフとも言える(「とりかえばや物語」は人格は入れ替わってないけど、男女は入れ替わっている)。

人格がすっくり入れ替わるという話は、かなり荒唐無稽だとおもうのだが、繰り返し物語で使われており、「現実を忘れさせるお話」として昔から好まれている。

そしてそれは2021年の冬の気分にも合っている。

ありえない話だから、見てると、少し心が軽くなる。

『天国と地獄〜サイコな2人〜』もそういうドラマである。

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