2月に入ると中国不動産大手、華夏幸福が53億元近い銀行や信託会社からの融資遅延を発表し、今年上半期にもデフォルトに陥るのではないか、とロイターが報じていた。
華夏幸福は目下、河北省政府と華夏幸福による合同チームによって債務整理に入っているが、破産再建も視野に入れているという。
ちなみに、中国四大保険会社の一つ中国平安集団が華夏幸福のエクスポージャーに540億元を投資していることも第一財経などが報じている。平安集団のCEOの謝永林は「損失が540億元というわけではない」と説明しているが、中国債券市場にけっこうな緊張が走っていることは確かだ。
昨年11月に「AAA」(トリプルA)の格付けが付与されていた河南省の国有企業、永城煤電ホールディングスグループ(永煤集団)の10億元の社債が青天の霹靂のようにデフォルトになり、中国の債券市場に国有企業のクズ債権に対する懸念が一気に広がった。
その追い打ちのように、華夏幸福の今年上半期に償還期限を迎える社債は236億元相当がデフォルトの危機に直面しているという。
これだけでなく、昨年から今年にかけて、中国のかつて飛ぶ鳥を落とす勢いの企業が国有、民営にかかわらず、次々とデフォルトしたり破産したりしている。
新浪財経が報じていた不完全な統計では、2006年に企業破産法ができて2021年までに、76社の大手上場企業の破産再建が行われ、特に過去1年で全国で受理された有名上場企業の破産再建案件は15件以上に上った。具体的には、青海塩湖カリ肥料、重慶鉄鋼、舜天船舶、力帆集団などだ。