世界が森喜朗を批判…男尊女卑思想がまだ支配的な日本社会の「キケンすぎる実態」

ある日突然、大切な家族が「加害者」になる
阿部 恭子 プロフィール

絶対的男性優位の家庭環境が生む加害者

日本社会に多いDV殺人や虐待死といった家族間殺人。家庭内の事件こそまさに、男尊女卑思想の体現である。

加害者「家族」を支援している筆者は、残忍に人を殺めた加害者について「家では優しい子だった」と評価する家族を多く見ている。必ずしも家庭内暴力が世代間連鎖しているわけではない。穏やかな家庭で育った穏やかなはずの息子が、なぜ妻子に暴力を振るうのか。

筆者は、男性が優位に扱われていた家庭環境が大きく影響しているのではないかと考えている。

きょうだいでも女の子より男の子の教育にお金をかけたり、常に男の子の意見を優先して育てた息子である。息子たちは、優位性を認めている家族に牙をむくことはない。

ところが、優位性が保障されない環境において、優位性が損なわれたと感じた時、相手に暴力を用いて支配するのだ。

〔PHOTO〕iStock
 

男性であれば無条件に家庭の資源を独占し、意見は絶対だと刷り込まれて育った男性は、妻子が従うのは当然と思い込んでいる。絶対的存在であるはずの家庭で、自分の意見に従わないどころか、許可なく行動されることにさえ存在が否定される危機感を覚え、怒るのだ。

加害者の中には、会社では女性上司や同僚とうまくやっており、女性からの人望が厚いという人々もいる。それは、会社は彼らのテリトリーではないからである。

彼らが独裁者になるのはあくまで自分のテリトリーと考える家庭だけであり、犠牲者もまた、そこで暮らす家族だけなのだ。それが、社会的評価と親密圏の行動のギャップである。

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