世界が森喜朗を批判…男尊女卑思想がまだ支配的な日本社会の「キケンすぎる実態」

ある日突然、大切な家族が「加害者」になる
阿部 恭子 プロフィール

妻子を養うために手を染めた犯罪

「三人目の子が生まれて、引っ越しもしなければならなかったし……。受け取ったお金はすべて生活費に使ってました」

村井裕也さん(仮名・40代)は、非正規社員で転職を重ねてきたが、妻と三人の子をひとりの収入で養ってきた。アルバイトをしたり、密かに実家の両親から援助を受けてなんとか生活を成り立たせてきた。

ところが、数年前に両親が他界、赤字になれば仕事を増やせばいいと考えてきたが、休日や深夜まで働くことが体力的に厳しくなっていた。

そこで、知人から紹介された仕事が「振り込め詐欺」だったのだ。一回だけなら……と考えていたが、他に収入を得る方法は見つからず、犯行を重ね逮捕となった。

 

「妻に相談なんてできませんよ。妻子を養うのは男の義務なので、俺がなんとかすべきとしか考えませんでした」

筆者も村井さんと同世代だが、「男は外で働き女は家庭を守る」といった性別役割分業意識が強い男性も少なくないと感じる。学校でも「男子は工作、女子は家庭科」というように性別役割分業を肯定するような教育が行われていたのだ。

村井さんも父親ひとりの収入で三人兄弟で育った。しかし、父親は正社員で安定した給料を得ていたが、村井さんひとりの非正規社員の収入では、同じ生活が成り立つはずがない。犯罪に手を染める前に、夫婦で話し合うべきだった。

実刑判決を受けた村井さんは離婚し、妻子は生活保護を受けて暮らしている。家族には貧困以上に深刻な、加害者家族というスティグマを与えてしまう結果となった。

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