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倒産続く「街のラーメン店」のウラで、増収増益の「巨大ラーメン企業」…驚きのコロナ格差

新型コロナの影響で日本のラーメン店は今危機に瀕している。2020年の倒産件数は最多を記録。六角家本店、長浜将軍といった有名店も踏ん張りきれなかった。一方、日清食品、東洋水産などはインスタントラーメンの巣ごもり需要の恩恵に授かり、株価も堅調だ。おなじ「ラーメン」でも、なぜここまで明暗が分かれたのか?
米国の投資運用会社で働いた経験があり、『マネーの代理人たち』の著書もある小出・フィッシャー・美奈氏が、職人頼みのラーメン店と規模を生かしたラーメン企業のビジネスモデルの差を分析する。

新型コロナで追い詰められる、日本のラーメン店

海外に住んでいると、ラーメンが無性に食べたくなる時がある。近年は米国でも一風堂や一蘭など300店以上がオープンして「ラーメンブーム」と言われるが、やはり日本のラーメン文化の広がりと深度には追いつけない。しかもニューヨークやロサンゼルスでは、一杯のラーメンが20ドル程度と、日本の倍以上する。

ラーメンのルーツは「中華そば」だが、100年かけて日本の国民食となり、中国の人にも「日式拉麺」として愛されている。筆者の知り合いにも、究極のラーメン体験を求め、食べ歩きのためだけに日本に出かけるアメリカ人がいる。時差ぼけを活用して早起きし、お気に入りのラーメン屋さんの整理券を得るために朝から並ぶというからマニアックだ。

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だが、新型コロナによる外出自粛で、日本のラーメン店は今危機に瀕している。

帝国バンクによれば、2020年のラーメン店の倒産は46件となり、前年を10件上回って過去最多を記録した。その中には横浜家系ラーメンの「六角家本店」、豚骨ラーメンの「長浜将軍」(福岡)などの超有名店も含まれる。

でも、実態はもっと厳しいようだ。

タウンページで「ラーメン店」を検索したら、登録されている店が全国で2万5484軒出てきた。だが、同じタウンページ検索で2018年には3万599軒だったというデータがあるので、ここ2年程度で5000店以上も減っていることになる。

 

総務省の小売物価統計調査によれば2020年12月時点でのラーメンの全国平均価格は601円。ラーメン店を開くつもりになって簡単な計算をすれば、いかに厳しい事業であるかが分かる。

小さな店でも家賃、光熱費、備品代やアルバイトを雇う費用などのラニングコストが月に60万円くらいはかかるだろう。単価600円で、麺、スープ、具などの原価を3割(180円)に抑えたとして、残る粗利益が420円。それで営業費用をカバーしようと思えば、25日稼働で最低でも1日60杯くらいは売らないとやっていけない

コロナで客足が減ればたちまち赤字になるのは、容易に想像できる。

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