中学入試は「限りなくフェア」な世界です。学校側が設定した得点ラインを上回れば合格、1点でも下回れば不合格になるという、シンプルではありますが、シビアな世界と言い換えることができます。
私立中高一貫校の魅力の一端に、この「スクリーニング」(ふるい分け)が大きく関係していると私は考えます。
中学入試の合否はペーパーテストの合計得点で決します。ですから、わが子が入試を突破し、進学したその学校には合格点を上回った同級生たちが一堂に会しているのです。彼ら彼女たちはみんなそれなりの努力を積み重ねてきたのですね。
公立中学校と比較して、私立中高一貫校は荒れることのほとんどない、学びに専心できる環境があると言われることがありますが、これは「スクリーニング」を経ているのですから、ある意味当たり前のことでしょう。
もちろん、私立中高一貫校によってこの「スクリーニング」のレベル差はさまざまです。
わたしは「偏差値レベルが高い学校」=「良い学校」と無条件に断ずることはできないと考えていますが、ひとつだけ確実に言えることがあります。
中高一貫校で6年間を過ごす中で、お子さんにとって一番の財産となるのは「友人」だとわたしは考えます。
そして、(一概には当然言い切れないことではありますが)学校の「偏差値レベル」が高ければ高いほど、同級生たちの語彙力、論理性、洞察力など……ざっくり言うと「精神年齢」の平均値が高くなる傾向にあります。
友人関係の中で互いにゆるやかに成長を遂げていくという側面を考えると、各学校の「偏差値レベル」は案外大切な指標なのではないでしょうか。