提供:高浜町役場総合政策課

若狭湾に面した福井県・高浜町は、古くから漁業で栄えた漁師町。そんな町で今、昔ながらの漁業と、世界に誇る美しい海を起点に新しい“ビーチコミュニティ”を作る取り組みがはじまっています。

若狭の海の魚と人を輝かせる
高浜町が目指す循環型社会。

海と町を見守るようにそびえる青葉山は町のシンボル。

福井県の最西端に位置する高浜町は日本海の若狭湾に面した海辺の町。南西部には「若狭富士」と呼ばれる青葉山がそびえ、その自然の豊かさから、関西圏屈指の避暑地として多くの人が訪れる。なかでも青葉山の麓から8kmも続く海岸の東にある若狭和田ビーチは2016年にビーチやマリーナの国際環境認証のひとつである「BLUE FLAG」をアジアで初めて取得した海岸。今、高浜町では「世界が認めた美しい海」を出発点に、新しい漁師町の形を模索する活動がはじまっている。

そのキーワードは「海の6次化」。生産(1次)、加工(2次)、販売(3次)に関わる人々が一丸となって高浜町の海の恵みを活かしてPRしていくことで町全体を盛り上げ、地元の海や魚の魅力をより高め、次の世代へつないでいこうという取り組みだ。

秋から初冬にかけて旬を迎えるアオリイカは高浜町の名産。東京の豊洲市場でも高値がつく。

朝6時、高浜町の漁港には多くの漁船が戻ってくる。旬を迎えたアオリイカやアマダイのほか、見たことのない多種多様な魚がどんどん水揚げされていく。それらはすぐに漁港にあるせり場に並び、全国に送られるが、一部は高浜町に残り、地元の「はもと加工販売所」に運ばれる。「地元の魚の魅力を、地元の人々の手で発信する」ことが、海の6次化に欠かせない大切なポイントなのだ。

地元の魚を使った加工品は、味付けした魚を串刺しにした「くしもん」や、若狭ぐじを火山灰を使って干物にした「灰干し」などユニーク。

加工されるのは「若狭ぐじ」と呼ばれる若狭湾名産のアカアマダイや、シイラをはじめ家庭では馴染みのない低・未利用魚など多岐にわたる。食べ慣れない魚や淡白な味の魚はケイジャンスパイスや各種ハーブなどで味付けして串に刺し、バーベキュー感覚で手軽に食べられるように工夫。また小ぶりな魚は数種類混ぜてミンチにし、様々な料理にアレンジできるお魚団子などに加工して、海からの恵みを余すところなく利用している。

「はもと加工販売所」でのキッズお魚さばき体験。

「魚を食べる文化を後世に伝えたいという思いから、加工販売所ではお子さん向けの魚さばき体験なども随時開催しています。自分でさばいて加工した魚を食べることで、魚っておいしい、楽しい! ということを体験から知ってもらえたら、“魚食”の文化はもっと豊かに広がっていくと思っています」(株式会社まちから/名里裕介さん)

「UMIKARA」では現役漁師たち考案の“漁師めし”の提供も検討中。この日は料理の試作中。

また2021年夏には、漁港と加工販売所のそばに体験型フィッシュマーケット「UMIKARA」が開業予定。地元の海産物の販売はもちろん、魚が泳ぐ水槽から好きなものを選んで調理してもらえる食堂や、漁師から直接魚を買えるマルシェ(検討中)など、より海や漁師の文化、その恵みを体感できる。

漁港には若い漁師の姿も。町との連携や海の環境保全活動などを率先して行う頼もしい存在。

「地元の漁師さんとも連携して、子どもたち向けの漁の体験イベントなどもできたらと話しています。漁師の仕事や自然に寄り添う暮らしを知れば、『漁師って、かっこいい!』と思う子どももきっと増えると思います。地元で後継者を生むことは、持続可能な漁業の大きな後押しになるはずです」(株式会社うみから/河合徹さん)

「BLUE FLAG」を取得した若狭和田ビーチは関西圏屈指のサーフスポット。コワーキングスペースを利用して二拠点生活を送る若者も。

せりが終わり、静けさを取り戻した漁港。若狭和田ビーチに出ると、サーファーたちが集まり、気持ちよさそうに波に乗っている。

「海水浴はもちろん、若狭和田ビーチは関西圏屈指の“いい波”がある海。今後はコワーキングスペースやワーケーション拠点を拡充して、全国から移住者や二拠点生活者を迎えたいと考えています」(高浜町役場/野村労さん)

「はもと加工販売所」ではシイラなど低・未利用魚の加工も行う。

美しい海とおいしい魚、そして海を愛する人々。高浜町が目指すのは、それらが渾然一体となり、これまでにない文化や生き方が生まれる、新しい“ビーチコミュニティ”。漁師や子ども、お年寄り、そしてサーファーをはじめとする若者たち。これまで別々のカルチャーの中で生きていた人々を「海」でつなぐ、ユニークで楽しい、新しい漁師町の形だ。

2021年夏開業!
体験型フィッシュマーケット「UMIKARA」

「UMIKARA」では水槽の魚を調理してくれる売り場や食堂も。

高浜町の新しいビーチコミュニティの発信地となるのが、2021年夏にオープンするフィッシュマーケット「UMIKARA=うみから」。若狭湾で獲れた新鮮な海産物の販売や食堂での提供、地元漁師たちとの連携で取り組む昼市や漁師体験など、海の文化と恵みを丸ごと体感できる施設が誕生する。

地元の魚をユニークに加工した商品を販売する「はもと加工販売所」(福井県大飯郡高浜町塩土1☎0770-72-4847)。

開業に先駆けてHPでは「はもと加工販売所」でつくる地元鮮魚の加工品や地元産品を扱う通販もスタートしている。

▼UMIKARAオンラインショップはこちらから


【お問い合わせ】
高浜町役場総合政策課
☎0770-72-7711


提供:高浜町役場総合政策課

●情報は、FRaU2021年1月号発売時点のものです。
Photo:Kei Taniguchi Text & Edit:Yuriko Kobayashi