King Gnu常田大希が「チームで最高のクリエイションをする」ために考えていること

人を巻き込む責任と覚悟

情熱と冷静

「俺がやるべきなのは、それぞれがいきいきと全力で物作りに向かえるような環境と編成を組むこと。みんなが輝ける場所でなければ意味がない」

クリエイター集団「PERIMETRON(ペリメトロン)」のスタジオ。コンクリート打ちっ放しの壁に、様々なアートワークが飾られたそのスタジオでは、複数のクリエイターたちが黙々と作業に取り組んでいる。

そんな空間で常田大希(28歳)は言葉を選びながら低いトーンで、しかし時折、引き込まれるようなクシャッとした笑顔を見せてインタビューに答え始めた。

常田と言えば、いまやミュージックシーンのみならず、アート分野でも八面六臂のクリエイティブな活躍で、大きな注目を集めている存在だ。

 

一般には、大ヒットした『白日』で一気にメジャー人気を獲得した4人組ロックバンド「King Gnu(キング・ヌー)」を率いていることで知られている。

一方で、メンバーを固定せず、映像作家など音楽ジャンル以外のクリエイターも含めた自身のクリエイティブチーム「PERIMETRON」や、もうひとつの音楽プロジェクト「millennium parade(ミレニアム・パレード/略称ミレパ)」も同時に主宰している。東京藝術大学音楽学部器楽科チェロ専攻中退という経歴で、多様な顔をもつ。

どれも本人がやらずにはいられないチャレンジだ。「破壊と構築」というポリシーを掲げ、情熱的な一方で、各プロジェクトの存在意義を見極め、計画的に動いているようにも見える。まだ20代とは信じられないほど、冷静に自身の活動を俯瞰する一面を持つのが興味深い。

昨年はKing Gnuでサードアルバム『CEREMONY』を、今年2月10日にはmillennium paradeのファーストアルバム『millennium parade』を、と立て続けに作品を発表している。後者のアルバムに収録されている『2992』は、今年1月からスタートした環境問題について考えるNHKスペシャル『地球のミライ』シリーズ『2030 未来への分岐点』のテーマ音楽にもなった。

稼働するプロジェクトの規模もそれぞれ大きくなり、中心にいる彼はとにかく忙しそうだが、ようやく完成した『millennium parade』発売のタイミングで話を聞いた。

(取材・文=中沢明子 写真=林直幸)

常田大希(つねた・だいき)
1992年生まれ。 東京藝術大学音楽学部器楽科チェロ専攻中退。2013年、「Srv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)」名義で活動を開始。メンバーチェンジを経て、2017年、「King Gnu(キング・ヌー)」と改名し、2019年、『Sympa』でメジャーデビュー。同年、クリエイティブチーム「PERIMETRON(ペリメトロン)」も含めた別プロジェクト「millennium parade(ミレニアム・パレード)」もスタート。若者から大人まで、カリスマ的支持を獲得し、内外から大きな注目を集めるアーティスト。
編集部からのお知らせ!

関連記事