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ワクチンが足りない…EUの「一括購入・一斉接種」計画が早くも崩壊

ロシア製ワクチン緊急認可の動きも

EUのワクチン接種状況

EUのコロナ・ワクチンの周りが、何だか騒がしい。

最近、とみに纏まりの悪いEU27ヵ国だが、ワクチンの購入はEUが一括して行うと決めたのが、昨年の6月。ワクチンを人口に応じて各国に分ければ、EUの貧しい国にも平等に行き渡るというフェアなアイデアだ。強行に推し進めたのが、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長(ドイツ人)。

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実は、これには理由がある。去年の3月、イタリアでコロナウイルス感染が急速に広まっていたとき、ドイツ政府が、医療マスクや器具の国外輸出を禁じるという事件があった。日頃、「連帯、連帯」と叫んでいるドイツのこの行動は、当然、大きく非難された。

その後、フォン・デア・ライエン氏も欧州委員長として、当時のドイツの行動は正しくなかったと批判するに至った。つまり、今回はドイツのイメージ挽回を図るためにも、是非とも平等を強調したかったわけだ。

ただ、EUのその後の歩みは、なぜかノロノロしていた。バイオンテック/ファイザー社とワクチン購入の契約を結んだのが、11月20日。しかし、イギリスやイスラエルがすごい速度で接種を進めていた12月の半ば、EUはまだ同ワクチンの認可さえ終えていなかった。

それでも12月27日、EU全土で一斉に接種開始ということが大々的に公表され、各国がその準備に励む様子が伝えられた。ドイツでは、12月半ばには400ヵ所のワクチンセンターが設置され、保健相は、夏までには国民全員のワクチン接種を完了すると発表。国民の間では、これでようやく自由が戻ってくるという期待感が高まった。

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そして12月末、一斉ではなかったものの、EU各国では待ちに待った接種が始まった。

ドイツでの第一号は、1日前倒しの26日、ザクセン=アンハルト州の老人ホームに住む101歳の女性。ドイツでは、接種の優先順位が一番高いのが80歳以上の人、老人ホームの介護士、救急隊員、病院の医療関係者などだ(今後、優先順位は若干変更される予定)。

高齢者の中には、ワクチンさえ打てば再び子供や孫に会えるようになると思い、1日でも早く打って欲しいと心待ちにしている人が多かった。

 

ところが、どんどん進むはずだったワクチン接種はまもなく行き詰まった。蓋を開けてみたらワクチンが足りない。注文した数が来ない…。

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