ロシア製ワクチン「スプートニクV」に欧州が関心を示し始めた理由

ネガティブキャンペーン合戦の末に
小林 雅一 プロフィール

とはいえ、欧州の人たちが本当にロシア製ワクチンを使う気になるかどうかは未だ分からない。

確かに、ガマレヤ研究所がその後本格的な臨床実験を実施し、ランセットのような権威ある医学専門誌がその結果を認めたのは事実だが、だからと言って、一般の人たちがその安全性や効果を信じられるとは限らないだろう。

ロシアや中国政府など事実上の非民主的な独裁政権に対する欧米、あるいは日本なども含めた自由主義陣営の不信感には相当根強いものがある。それは巡り巡ってワクチン開発に対する不信感にもつながっているはずだ。

が、一方で、ガマレヤ研究所の歴史等を見る限り、ロシアがワクチン開発における優れた技術力を蓄えていることは、ほぼ間違いなさそうだ。中国のワクチンに対しても、恐らく同様のことが言えるだろう。

 

政治体制は承服しかねるが、その科学技術力は甘んじて受け入れる。今後はそうしたダブル・スタンダードを採用していくしかないのだろうか。

新型コロナ・ワクチンを巡る欧米と中露の綱引きは関係諸国も巻き込んで、将来に渡る両陣営の対峙の仕方を提示することになるかもしれない。

参考文献)
The Sputnik V Vaccine and Russia’s Race to Immunity,” Joshua Yaffa, The New Yorker, Feb. 1, 2021

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