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リンカーンやワシントンを尊敬してはいけない国になったアメリカ

価値観の多様化を叫びながら社会を閉塞

リンカーンやワシントンは本当に「悪人」なのか?

サンフランシスコ市の教育委員会は1月27日、武力による制圧や人種差別、女性抑圧などに関係したと認定した歴史上の人物に由来する公立学校名を廃止することを決めた。

なんとその中には、奴隷を所有していた初代大統領ワシントンや第3代ジェファーソンがいる。さらに、奴隷解放を進めたものの先住民を抑圧したとされる第16代リンカーンら歴代大統領の名前も含まれている。

また、昨年6月にはデモ隊が、キャピトルヒル(国会議事堂のある小高い丘)のリンカーン公園に建つエイブラハム・リンカーン元大統領の奴隷解放記念碑を倒すことを計画していると伝えられ、国立公園局が周辺地域を閉鎖するという騒ぎになった。

確かに、ワシントンなどが奴隷を所有していたことは有名だし、先住民を抑圧していたのも事実だ。しかし、これは「マケドニアのアレクサンダー大王が『侵略戦争』を行ったから銅像を破壊する」というのと同じたぐいの話である。

社会全体の価値観が異なっていた歴史上の人物を、現代の人々の価値観で断罪するなどまさに「死人に鞭打つ」野蛮な行為である。このような人々にぜひ「価値観の多様性」という言葉を教えてあげたいものだ……

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サンフランシスコの問題は「特別な地域」の問題かもしれないが、このような「歴史の書き換え、脚色」や、「特定個人(組織)に対するバッシング」は全米に蔓延している。

例えば、2月9日の記事「米国でいま広がっている『トランプ派狩り』は『文化大革命』なのか?」で述べた「トランプ派狩り」は、政党カラー(共和党は赤)で言えば、まさに「現代の赤狩り」である。

しかし、問題は米国だけではなく日本を含む世界にひろがっている。あまりにも広範囲に及ぶので、まとめるのが難しいが、主要な論点は次の6つだと思う。

 
1.「言論警察」は、社会を閉塞させる
2.バッシングをするのは社会のごく一部だが、声だけが大きい。
3.都合の悪い人間を社会的に抹殺する道具になっている
4.「言葉の切り取り」が横行している。
5 バイデン大統領より問題のある人物がいるのか?
6.言論の場が「人民裁判」あるいは「集団リンチ」の場になっている
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