1年間で2万人が死亡…じつは風呂に「10分以上」入ってはいけなかった…!

大量の突然死を招いている
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細胞が死滅していく

ここで気になるのが、湯温と熱中症の関係だ。

前出の笹井氏の調査によると、65歳以上の高齢者の自宅の風呂の温度は42度と43度に設定されている場合がもっとも多いという結果が出ている。

だが、取り立てて「熱い湯」というイメージのない42度の湯温でも、浴室での事故は頻繁に起きている。

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「慶應義塾大学の伊加賀俊治教授らのグループによる研究では、42度のお湯に10分浸かるだけで体温が1度上昇するというデータが示されています。体温が1~2度上昇するだけでも人体に異変は起きうるのです」(笹井氏)

深部体温と熱中症の関係を、この分野の権威である千葉科学大学の黒木尚長教授が補足する。

「人間の体温は、40度以上になるとそもそも脳が耐えられず、意識障害を起こします。その後も体温が上昇し続け、42・5度を超えると次は細胞が死滅していく。

こうなると死滅した細胞からカリウムが体内に流れ出し、高カリウム血症という状態に陥るのです。高カリウム血症は心室細動を引き起こし、人間を死に至らしめます」

高カリウム血症を起こさずとも、意識を失ってしまえば溺死の原因となり、死亡のリスクは高まる。また、体温が40度を超えなければ意識障害は起きないのではと考える方もいるだろう。しかし、それは大きな間違いだ。

前出の三宅氏が続ける。

「熱中症による意識障害は脳の働きが高熱によって低下するほか、脱水で脳の血の巡りが悪くなってしまった場合にも起こります。体温が37度から38度の間でも、体内の水分量が不足している場合は、意識障害を引き起こす可能性があります」

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