地球を取り巻く状況は変化を遂げ、私たちの生活も変わることを余儀なくされました。未来に対して確固たる答えもゴールも見えていない状況ですが、手探りでも前へ進むことが欠かせません。今回は、芸人のゆりやんレトリィバァさんに、今どんなことを思い、どんなアクションを起こしているのか伺いました。
「文化や自然を残したい」
生まれ育った故郷への思い
その柔らかい雰囲気からは想像もつかない、突飛なボケを連発しお茶の間に笑いを届ける芸人のゆりやんレトリィバァさん。2013年にお笑い養成所NSCを首席で卒業し、デビュー後は女性芸人の賞レースである「THE W」で優勝。その他にもさまざまなお笑いの賞を受賞し、お笑い芸人としてのエリートコースを歩んできた売れっ子だ。
2019年はアメリカのオーディション番組「America’s God Talent」へも出演。通訳なしで出演者とやりとりし、海外の人たちを笑わせる姿は日本のメディアでも大きく報道され話題になった。どんな場面でもボケ続け、ハートが強いとも称されるゆりやんさんだが、意外にも芸風や芸人としての立ち居振る舞いに迷っていた時期もあるという。
「昔は“こうしなければいけない”とか“これはしてはいけない”などと思い込んで、気負っていたこともありました」と語る。転機になったのは、先輩芸人である千鳥・ノブさんからのアドバイスだった。そんな悩みを相談したときに「ゆりやんはそのままでええ」と言ってくれたことが、今のゆりやんさんをつくった。
「芸人になって日が浅かった時期は、台本に“こういうことを話す”と書かれていたけれど、今では“お好きなように”と書いてくれています。私のボケは一人では完結できません。周りの人がツッコんでくれることではじめて笑いになります。ツッコんでもらわなくても、ボケに乗ってくれる芸人さんや、周りの方に日々助けてもらっています」
自由に自分自身を表現し、周りの人と笑いをつくりあげていく様子は、理想的な社会のあり方を体現してくれているとも感じる。
また、ゆりやんさんの所属する吉本興業はSDGsにコミットしており、企業として持続可能な社会の提案を行っている。例えば、SDGsの目標からお題を決めてネタをつくる「SDGs-1グランプリ」を主催し、19年の大会にはゆりやんさんも出場した。企業も芸人も一緒に、お笑いで社会問題に取り組んでいる。