Illustration by NASA

史上最大規模のコロナ質量放出が地球を襲った「1989年3月の磁気嵐」をご存じか?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

地球を襲う数十億トンのプラズマ

1989年の今日(3月13日)、史上最大級の磁気嵐が発生し北米を中心としてさまざまな国で被害が発生しました。この磁気嵐は「1989年3月の磁気嵐」と呼ばれます。

磁気嵐とは、太陽から放出される高エネルギーのプラズマ(太陽風)などが原因で地球の磁気(地磁気)が大幅に乱れる現象です。ふだんは地磁気のおかげで、地球の周りには磁気圏と呼ばれるバリアのようなものが存在し、これが太陽風や宇宙線から我々を守ってくれています。

しかし1989年3月には太陽活動が活発化し、外側のガス層(コロナ)からプラズマの塊が2度にわたって放出されました(「コロナ質量放出=CME」と呼ばれる)。CMEではときに数十億~百億トンにも及ぶ大量のプラズマが放出されます。2度のCMEは大きな塊となって、1億5000万kmの距離を超えて地球に到達し、磁気圏を乱しました。

磁気嵐の影響は甚大で、テキサス州やフロリダ州に至る広い範囲でオーロラが観測されました。続いて電波障害によって短波ラジオが通信不能となり、カナダではケベック州で大停電が起こりました。さらに、米国の気象衛星との通信が不能になったり、宇宙でミッションを遂行中だったスペースシャトルでも機器の不調が観測されるなど、さまざまな電気的障害が発生しました。

太陽は地球生命のエネルギーの源であると同時に、ときに我々の生存を脅かすような存在でもあるのです。

太陽風と地球の磁気圏が衝突する様子 Photo by Getty Images

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