逆らう者は容赦なく斬る。
官僚には無類の冷酷さを見せる菅総理だが、中でも有名なのが総務大臣時代の'07年、総務省の南俊行課長(当時)を更迭したエピソードだ。
「南氏は、菅氏が進めていた放送改革の担当課長でしたが、記者懇談会で『大臣はああ言うが、そう簡単ではない』と菅氏の方針を否定して怒りを買い、即座に閑職に飛ばされた」(総務省幹部)
この一件で南氏は次官レースから脱落、「菅氏に切り捨てられた男」というイメージがついた。
だがここ最近、捨てられたはずの南氏が、NTTドコモの常務執行役員として「復活」を遂げていることに、霞が関で驚きの声が上がっている。
「NTTドコモといえばご存知の通り、菅政権の目玉政策である携帯電話料金値下げの本丸です。
南氏は昨年6月に同社役員となりましたが、これはNTTによるドコモ完全子会社化の直前。官房長官時代の菅氏が、ドコモの体制変更に乗じて、気脈を通じる南氏を値下げ推進のエージェントとして送り込んだとみられます」(携帯電話大手幹部)