中国共産党の「暴走」
さて、中国共産党はどうか。「共産党機関説」はありえない。そもそも憲法に、共産党に関する規定がないのだから。つまり、「共産党親政説」で、中国は一致している。立憲君主制が途中から、軍部の暴走に変わった日本と違って、中国ははじめから、共産党の暴走なのである。

理性を欠いて、まともな行動ができなかった日本の軍部に比べれば、中国共産党はまだしも合理的に行動してきてはいる。しかし、文化大革命もあった。天安門事件もあった。内モンゴルやチベットや新疆ウィグルで、やりたい放題をやっている。
共産党に対して、憲法は歯止めにならないのだ。憲法が歯止めにならなければ、何が歯止めになるか。
世論は歯止めになるのか。歯止めにならない。共産党は新聞やテレビなど、メディアを握っている。文化部が、プロパガンダを主管している。どういう世論があるかを報道するのは、共産党である。共産党に不都合なことがらを、報道するはずがない。
世論は、選挙に表れて、はじめて力をもつ。でも中国には、自由な選挙はない。政権交替を可能にする選挙は、存在できない。中国の選挙は儀式である。歯止めにならない。
全国人民代表大会も、やはり、民意が反映されているという体裁を整えるための、儀式である。誰が代表となるかも、共産党がお膳立てする。歯止めにならない。