イラスト/徳丸ゆう

「めまい」に潜む怖い病気と対処法。この症状には要注意!

 

めまいの約6割は耳の異常が原因。「めまいが起きたら耳鼻科へGO!」ということを覚えておくだけでも、いざという時安心ですね。でも、残りの“約4割”の部分にはどんなめまいの原因が潜んでいるのでしょうか? ちょっと気になりますよね。

今回は、放っておくと大変なことになるかもしれないめまいの見分け方と対処法について、耳鼻咽喉科専門医の前田陽平先生に教えていただきます。老若男女問わず誰でも起こりうるめまい。「こんなめまいは要注意!」と家族で共有しておくといいかもしれません。

 

めまいに潜む怖い病気は?


めまいの約6割は耳の異常が原因です。残りの4割のうち、約1割が中枢性(脳血管障害・脳腫瘍など)、約2-3割が原因不明といわれています。
したがって、一番怖いのは、やはり脳の病気ですね。耳が原因のめまいは、めまい・吐き気・難聴といった症状が主ですが、めまいの他にも以下のような症状がある場合は、耳鼻科以外での検査も必要になってきます。

・ろれつが回らない
・片手や片足が動かしにくい
・顔の筋肉が動かしにくい
・激しい頭痛がする
・目の前が真っ暗になる
・意識を失う、失神する
・まっすぐ歩けない
・立ち上がれない  など

こういった症状は命に関わる疾患である「脳卒中」を疑います。そのうちの一つ脳梗塞は、脳の血管が詰まることで血流がせき止められ、脳が働かなくなってさまざまな症状が現れます。しかも、前触れもなくある日突然はっきりしためまいが起こる場合が多い。そうなると一刻も早く脳の検査をしないといけませんから、救急車を呼ぶか救急外来を受診するようにしてください。

気を失うなどの症状があると、不整脈など心臓系の病気が隠れている場合もあります。ちょっと極端な例ですが、“フラフラする”めまいで受診した方が、実は心臓の感染症「感染性心内膜炎」であることが判明して、心臓外科で緊急手術になったことがあります。めまいの原因は感染性心内膜炎がもたらした“血圧低下”によるふらつきだったわけです。

こうした緊急手術を行うようなケースはごく稀ですが、めまい以外の不調や、めまいはいつからあるか? という点も考慮して、なるべく早めに病院にいらしていただければと思いますね。

病院に行くまでの対処法はある?


グルグルまわるめまいが起きたけど、ちょっと休めば症状がおさまったという場合は、無理せず家で休むのもいいと思います。もちろん医院に受診して相談するのも良いですが、すぐに治まった一回だけの話なら焦らず、家で安静にしていても良いと思います。ただ、耳鼻科で耳が原因のめまいと診断された後は、日常生活は無理のない範囲で動いていただくほうがいいですね。

 

医学的には「前庭代償」と言いますが、耳が弱ってバランスをとりづらくなると、小脳などがバランス機能を補強してくれるんです。耳鼻科のめまいの治療には運動を行うリハビリもあるくらいですから、なるべく体を動かしてあげることが症状改善に効果的なんです。逆に安静にしすぎると、治りにくくなってしまう場合もあります。

脳梗塞の疑いがあれば話は別で、症状に気付いたら直ちに救急車を呼んでいただいて、到着するまではなるべく動かずにじっとしていることが大切です。

前田陽平 Yohei Maeda

大阪大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科。耳鼻咽喉科専門医・指導医・医学博士。アレルギー学会認定専門医・指導医。Twitterでも耳鼻科や医療関連の情報を発信している。
【Twitter】ひまみみ 耳鼻科 前田陽平(@ent_univ_)


取材・文/金澤英恵
イラスト/徳丸ゆう
構成/山崎恵

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