イラスト/徳丸ゆう

朝起きて愕然…最近、大人の「おねしょ」が増えているワケ

 

おねしょといったら子どもがするもの、というイメージがありますよね。ところが最近、大人のおねしょが増えているんです。
もし、自分がおねしょしてしまったら?「どこか悪いのかしら……」という不安はよぎりつつも、とても人には言えませんよね。そうした恥ずかしさから病院に行くことができず、治療方法や対処法をインターネットで検索する人が多いようです。しかし、泌尿器科医で自由が丘ウロケアクリニック院長の佐藤亜耶先生は、そうした対処は症状の悪化を招きやすいと注意を呼びかけます。

 

1.切迫性尿失禁とは?


「切迫性尿失禁」とは、過活動膀胱による尿漏れのことです。切迫性という文字の通り、自分の意志に関係なく突然尿意が襲ってきて、トイレに駆け込むけど間に合わずに漏れてしまうのです。

これは年齢に関係なく起こります。20代くらいの若い子によくあるのが、お酒を飲んだ後、家に帰る途中で急に「おしっこしたい!」となり、我慢できずにジャーッと漏らしちゃう、というケース。本当に突然なんですね。また最初のそれをきっかけに、その後もたびたび尿漏れするようになることもあります。

2.健康なのに漏れちゃうのは、なぜ?


過活動膀胱の原因は、実はよく分かっていないんです。たとえば脳梗塞などの疾患がベースにあればそれを原因に起こっているとも考えられますが、健康な人でもある日突然症状が出るんです。ほかにも膀胱炎がきっかけになったり、生活習慣による自律神経の乱れだったり、あとは冷えなどが誘因になる場合もあります。

ただ患者さんたちのお話を聞いていると、皆さん何らかのストレスを抱えていることが多い印象です。就活や転職、引っ越しなどのような、緊張したりプレッシャーがかかること、生活環境の変化などがきっかけになっているように感じますね。

大人でも、おねしょ?!

実は大人でも、おねしょをしちゃう人はけっこういます。女性で、産後のタイミングであれば骨盤底筋の緩みが原因とも考えられますが、そうでなければ、やはりこの場合もストレスなどが原因だったりします。

 

ストレスを原因からなくすことは難しいですが、尿漏れは治療で治せることが多いので、恥ずかしいからと放置せず、必ず病院を受診しましょう。

3.市販薬で治してもいいの?


尿漏れを治す市販薬というと漢方ですね。「猪苓湯(チョレイトウ)」を飲んでいる人が多くて、あとは「五淋散(ゴリンサン)」や「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」などでしょうか。漢方が効いて症状がよくなる人もいますので、飲むこと自体は何も問題ありませんが、あまり改善が見られない場合は、別の方法を試してみることも大切です。

自己判断はしないで

皆さん、「恥ずかしいから病院には行きたくない。自分で何とかしよう」と思って、インターネットですごく調べられるんですよね。もちろん、情報がたくさん載っているのはすごく良いことだと思いますが、全てが正しい情報とは限りません。間違った病名や要らない治療法を信じてしまう可能性がありますし、そのせいでかえって症状が長引くかもしれません。ですから、私のクリニックに来る患者さんには「インターネットの情報はあまり鵜呑みにしないでくださいね」とお話ししています。

腹圧性尿失禁の場合は、運動するだけで漏れなくなる人もいますし、生活を変えるだけでも症状に変化が出てきます。また尿漏れしてしまうことにストレスや不安を抱えている人は、私に話してくださることで気持ちがラクになることも多いようです。

ですから、自分で決めつけずに病院へ行ってみてください。ちょっと相談してみるだけでも、予想以上に変わってくると思いますよ。

佐藤亜耶 Aya Sato

自由が丘ウロケアクリニック院長。女性泌尿器科、小児医療センター等の病院に勤務後、女性と子どものための泌尿器クリニックを開院。医学博士、日本泌尿器科学会認定専門医。二児の母でもある。


取材・文/梅田千恵(スタジオ・コル)
イラスト/徳丸ゆう
構成/山崎恵

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