2021.02.10
# 企業・経営

貧乏な国になった日本で「若者の自動車ばなれ」を防ぐ「たった一つの方法」

このままでは自動車業界が危ない
加谷 珪一 プロフィール

先日、このコラムでも紹介したが、米アップルや中国の配車アプリ最大手「滴滴出行(ディディ)」、中国のネット大手の百度(バイドゥ)など巨大IT企業が相次いでEVの製造販売に乗り出すと発表している。これらIT企業が手がけるEVは基本的にITサービスありきとなっており、乱暴に言ってしまえば、クルマはITサービスの付属品、あるいは周辺機器でしかない。

現時点でEVの価格はまだ高いが、日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は最終的に30万円になると断言しており、これは決して誇張した表現ではない。基幹部品が汎用品で構成されるEVの場合、産業の水平分業化でパソコン産業と同じようなメカニズムが働き、あっという間に価格破壊が発生する可能性が十分にある。そうなってしまえば、クルマというハードウェアは、まさにITサービスの付属品になってしまうだろう。

〔PHOTO〕iStock
 

こうした主張に対しては、「自動車の技術水準は他の産業とは違う」「自動者の製造には高度な部品の摺り合わせ技術が必要であり、汎用品では不可能」といった反論が寄せられるが、まったく同じ出来事が、過去、何十回も繰り返されており、こうした反論が成立したケースはほとんどない。

パソコンが登場した時には、「こんなものが命や財産を預かる基幹システムを担うなどあり得ない」などと批判されたが、この常識はわずか10年で覆った。また部品の互換性や摺り合わせに関する指摘もあり、メーカーが一括管理する大型コンピュータとは比較にならないとされたが、今、パソコンで部品の互換性や信頼性を問題視する人は誰もいない。

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