南半球からも発見! 自らの足で世界中に広がったティラノ軍団!

ティラノサウルス徹底研究 第13回
好評連載「ダイナソー小林の超肉食恐竜ティラノサウルス徹底研究」
ここまで解説してきた、ティラノ軍団の
進化の舞台は北米とヨーロッパでした。今回は、さらに視界を広げて、南半球のティラノ軍団に迫ってみたいと思います。

南半球にも存在していたティラノ軍団

ここまでティラノ軍団の進化は、すべて北半球で展開されてきた前提で解説してきました。しかし、近年の研究により、その限りではないことが明らかになっています。

南半球の一角・ブラジルにはサンタナ層群があり、その中のロムアルド層という地層から、たくさんの美しい化石が見つかっています。そしてこのロムアルド層が露出するアラリペ盆地は、中国の遼寧省やドイツのゾルンホーフェンとならんで、翼竜化石がたくさん見つかる場所としても有名です。

ここで発見されたサンタナラプトルという全長1メートルほどの恐竜(1999年命名)は、当初は肉食恐竜と認識されただけで、くわしくはわかっていませんでした。しかし、非常に保存状態がよく、皮膚や筋肉、血管が残っている化石として、サンタナラプトルは注目を集めていました。このサンタナラプトルが近年、実はティラノ軍団の一員ではないかと見直されるようになったのです。

再検討の対象となったのは、ブラジルで発見されたサンタナラプトルと、オーストラリアで大腿骨と恥骨が発見されたティミムスの2種。この2種に対し、3つの判断基準を使った6通りの分析が行なわれました。

細かいことは省略しますが、オーストラリアのティミムスについては「ティラノ軍団の可能性あり」、ブラジルのサンタナラプトルについては「ティラノ軍団入りと考えていいのでは?」というのが、おおよその結論のイメージ。

ティミムスに関しては、大腿骨と恥骨だけでは情報が少なすぎるため、こうした曖昧な形で着地しています。

一方のサンタナラプトルは、腰の骨、後ろあし、尾が保存されていて、情報が比較的多かったことが幸いしたのでしょう。晴れてティラノ軍団入りを果たします。そしてこのサンタナラプトルが二軍メンバーであると結論づけられたことから、ティミムスも同等の存在である可能性大、と扱われるようになりました。

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