# 外食

『びっくりドンキー』のハンバーグ、見た目は地味でも「なぜかウマい」理由

味も接客も「びっくり」させる工夫
高井 尚之 プロフィール

外観から接客まで「びっくり」させる工夫

モノづくりのこだわりだけでなく、コトづくりについても紹介したい。

「非日常を演出するレストラン」として、来店客をワクワクさせる工夫を随所に凝らす。例えば次のような工夫がある。

・「びっくりドンキー」という店名……ヘンな名前、ふしぎな名前として覚えてもらえる
・内装は木質材やアンティーク小物などを駆使し、囲み席が多い……非日常的な空間を演出
・メニューが「大きな扉の板で出てくる」……席に着いた後で、びっくりしてもらう

ちなみに全店舗数のうち半数近くが「居抜き」(退去前の飲食店の内装を改築して使う)物件で、チェーン店でありながら同じ体裁の店はない。独特な外観も目立つ。1980年代からこうした演出に取り組んでおり、テーマパーク型飲食店のはしりでもあった。

「FC店も多く、外装デザインの派手さは各オーナーさんの裁量に委ねていました。最近の新店舗は抑え気味ですが、派手な外観は関西地方に多い傾向にあります」

なお、以前は店舗スタッフの制服も西部劇風など数種類あったが、現在は統一された。

「びっくりドンキー」姫路飾磨店(提供=株式会社アレフ)
「びっくりドンキー」西宮今津店(提供=株式会社アレフ)

「ハンバーグ特化型」には強みも多い

「びっくりドンキー」は、さまざまな料理を出す総合型ではなく、ほぼハンバーグに特化した専門店だ。経営の視点では、総合型に比べて以下のメリットがある。

(1)長年の店舗運営経験により、毎日の出食数がある程度見込める
(2)飲食の提供や接客など、従業員のトレーニング期間が短くできる
(3)冷蔵庫や調理器具など設備投資が最小限ですむ

それぞれ簡単に補足しよう。(1)は、日本人の国民食であるハンバーグに特化したため、食材ロスが少なくてすむ。

 

(2)は、ハンバーグ中心なので複雑な調理手法を求められない。全国に8カ所ある工場で一次加工しており、店舗での調理作業もより簡略化されている。前述したワンプレートは、お客さんは食べやすく、店側の立場では皿を洗う枚数が少なくてすむ。

(3)についても、特化型なので食材の保管場所や調理器具といった厨房施設が最小限ですむ。前述した「居抜き」物件への出店も含めて、初期の設備投資費用が抑えられるのだ。

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