上野千鶴子さん ©︎文藝春秋

日本は変わった…上野千鶴子が語る「在宅ひとり死のススメ」と「介護保険に対する危機感」

家族持ちこそ無防備?

上野千鶴子さんの『おひとりさまの老後』シリーズ最新刊、『在宅ひとり死のススメ』(文春新書)が売れている。1月22日の発売後すぐに増刷が決まり、6万8000部となった。

内容は、シニア生活や介護現場のポジティブな現状報告が中心だ。例えば、シニア1人暮らしの生活満足度は、同居家族4人以上と同程度だが、2人世帯や3人世帯より高い。日本の介護水準は世界的に高く、認知症でも1人暮らしが可能。死ぬときは1人かもしれないが、孤独死にはなりにくい。具体的な数字を示し、末期医療費に天井があることを伝える。しかし、そうした現在を支える介護保険制度を、骨抜きにする政治が進行している。

そんな主張を盛り込んだ同書について、上野さんにインタビューを行った。何しろ若い世代にとっても、老後は親や祖父母の問題であり、いずれは自分の身にも降りかかる。数十年後もきちんと機能して頼る子供がいなければ困る。日本の介護の現状はどうなっており、危惧される問題とは、何だろうか。

©︎文藝春秋
 

この20年で常識がガラリと変わった

最初の『おひとりさまの老後』(法研)刊行から14年。社会は変化したのか。

「私が研究を始めたのは、介護保険が導入された直前の1999年からです。2000年には高齢者の子供との同居率は内閣府調査で49.1パーセントでしたが、2017年には30.9パーセントにまで減少しています。独居率も2007年には15.7パーセントでしたが、2019年には27パーセントと急増しました。導入期には、『年を取ったら子どもが何とかしてくれる』と思っている人たちが高齢者でしたが、今や世帯分離が定着して、年寄りが若い者と同居しないライフスタイルが珍しくなくなりました」

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