しかし、あなたの人生はあなたの人生、配偶者の人生は配偶者の人生だ。その二者を天秤にかければ――ほんの僅差かもしれないが――必ずあなたの人生のほうが重い。酷なようだが、最後の最後には、「他人の問題」は「他人の問題」として切り分けるべきだ。外野から何か言われるって? 言わせておけばいい。外野が配偶者の面倒を見てくれるわけではないのだから。

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人生は「面」ではなく、連続した「点」

ただ、いざ離婚となると、人は躊躇する。離婚は「バツ」と呼ばれるだけに、どうしてもネガティブなイメージがつきまとうからだ。「離婚によって、人生に傷がつくのは耐えられない」という人は少なくない。

そういう人はおそらく、人生を「面」として捉えている。

「面」とは、生まれてから今まで歩んだ時間や選択が、すべて地続きである状態のことだ。そのため、人生のどこかの時点で一滴でも黒いインクが垂れ落ちた瞬間、「面」全体、すなわち人生全体が汚された、と感じてしまう。減点法のシビアな人生観である。

しかし本来、人生は「面」ではない。独立した「点」の連続的な集合だと筆者は考える。

黒いインクを垂らしてしまって「間違えた」と思っても、すぐ次の点に移動して仕切り直せばいい。黒いインクは侵食してこない。現在は過去に支配されない。むしろ多様な色彩で彩られた無限数の点、その連続的な集合全体をもって、人生と呼ぶのではないか。実際、筆者がこれまで話を聞いた男女は離婚したことで人生が好転したケースがほとんどだ。

だから、離婚にネガティブもポジティブもない。離婚とは、仕事で言うなら転職、読書で言うならページをめくる行為。今いる「点」から隣の「点」に移るアクション、というだけのことだ。