「離婚すべき結婚」と「がんばるべき結婚」の違い

離婚経験者に取材してその経緯を聞くルポルタージュを、足掛け4年ほど書き続けているが、取材を終えるたびに考え込んでしまうことがある。夫婦関係が明らかに破綻しているとき、一体どこまで努力(我慢)すべきなのか――。すなわち、「離婚すべき結婚」と「がんばるべき結婚」の線引きはどこにあるのか、という問題だ。

昨年11月に刊行されて大きな話題になったコミックエッセイ『妻が口をきいてくれません』(野原広子・著/集英社)は、なんと5年以上も“がんばった”男性が登場する。

-AD-

その男性の誠は、専業主婦の妻・美咲と子供ふたりを養う40男。ある日、「ケンカしたおぼえはないのに」、美咲が口をきいてくれなくなる

誠は原因をあれこれ考え、美咲に何か悪いことをしたのだろうかと自問自答する。が、いくら考えても心当たりがない。美咲に聞いても答えてくれず、あの手この手で機嫌をとっても無反応。会話は2人の子供を挟んでしか行われない。美咲は離婚を切り出すでもなく、頑なにだんまりを貫き通す。

『妻が口をきいてくれません』より

そのまま地獄のような5年が経過。そして6年目、限界に達した誠は、自分から離婚を切り出すのだ。