尖閣諸島をめぐる「菅・バイデン」の会談が「決定的に無視していること」

巻き込まれる恐怖

米国のバイデン政権誕生後、日米の防衛、外務の閣僚同士、首脳同士の電話会談が一通り終わった。いずれも米国に対し、日本防衛義務を定めた日米安保条約5条を沖縄県の尖閣諸島に適用することで合意した。その内容は、全国の新聞、テレビ、インターネットのニュースで大きく扱われた。

多くの国民は「尖閣で何かあっても米軍が守ってくれる」と、安心感を得たのかもしれない。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

一方で、米軍基地の集中する沖縄で増幅する恐怖や不安がある。訓練激化による騒音などの負担や墜落事故などの被害が増える不安、そして同盟国の戦争に「巻き込まれる恐怖」だ。

1月28日の菅義偉首相とバイデン大統領との初めての日米首脳会談。外務省はホームページで公表した会談概要7項目のうち、2番目に尖閣への安保5条適用を掲載した。

非公開の会談では、官僚の発表や情報のリークによって記事を書く場合が多い。逆に、それに頼らなければ記事を書けない。何を書くか、何を国民に知らせるかが、ある程度コントロールされていると言える。

その中で、外務省や防衛省を中心に日本政府が、尖閣への安保5条適用に躍起になるのはなぜだろうか。

民間所有だった尖閣諸島を日本政府が買い取り、国有化したのは2012年9月である。領有権を主張する中国への配慮から当時のオバマ大統領は当初、尖閣への安保5条適用を明言しなかった。

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