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最高100万ドルの罰金も…米国の「ワクチン接種」が進まない理由

複雑なルールと厳しい罰則が足かせに

新型コロナの感染者数が2600万人以上と世界最多の米国では、先月発足したバイデン政権が今年の夏までに全国民へのワクチン接種を目指して活動を加速している。

Thousands of Vaccine Appointments Canceled as Supply Lags”(NYT, Feb.1, 2021)

昨年12月の接種開始以来、現時点の接種率は全人口の10%程度に達したと見られるが、その大半は1回目の接種。ファイザー、モデルナ製の両ワクチンとも都合2回の接種が必要となるため、政権の目論見通り夏までに完了するかは微妙な情勢だ。

これまでのところ、高まるワクチンの需要に供給が追い付いていないようだ。ワクチン接種は予約制だが、州や市、郡など地方自治体に供給されるワクチンが事前の取り決めより少なくなり、接種直前になって政府(地方自治体)側による予約のキャンセルが相次いでいるという。地方自治体の間で、ワクチンの奪い合いのような状況が生じていることが背景にありそうだ。

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優先順位に関する複雑すぎるルール

他方、ワクチン接種の優先順位に関するルール等に縛られて、接種が思うように進まないという側面もある。

米CDC(疾病対策予防センター)の調べでは、先月中旬までに約4000万回分のワクチンが全米に配布されたが、そのうち実際に接種されたのは1200万回分に過ぎない。つまり、ワクチン自体は存在するのだが、それが効率的に接種されていないということだ。

Speed Up Vaccinations and Reduce the Red Tape”(NYT, Jan.15, 2021)

ワクチン接種には対象者の年齢や既往歴などに応じて、優先順位が定められている。また医療従事者や介護施設の従業員をはじめ、いわゆる「必要不可欠な労働者(essential worker)」も優先的にワクチン接種を受けることになっている。他にも様々な優先順位が事細かに指定されている。

 

各自治体では、所定のウエブ・サイトからワクチン接種をオンライン予約する体制を敷いている。しかし、接種の優先順位に関する規定が余りに複雑かつ曖昧なので、接種を希望する人たちから見ると、果たして自分がワクチン接種の対象となるのか判断できないケースも少なくないという。

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