実に奥が深い「放物線」の数学…あなたの身のまわりにもたくさんあります

注目すべきは「焦点」
横山 明日希 プロフィール

楕円と双曲線を使ったパラボラアンテナ

ちなみに、パラボラアンテナの種類は今あげた2つだけではなく、代表的なものにはもう2つほど種類があり、この2つにも数学的な興味深い性質が使われているので、それも紹介していきます。

その前に、放物線の仲間である楕円双曲線という曲線を紹介しておきましょう。これらは二次曲線に分類され、放物線と同じように「焦点」というものを持っています(詳しい定義などはここでは割愛します)。

楕円と双曲線は2つの焦点を持ち、楕円は片方から出た光や電波はもう片方の焦点に集まります。双曲線は片方の焦点から出た光や電波が、もう片方の焦点から出た光や電波と区別がつかないような反射の仕方をします。

楕円と放物線の焦点から出た光の反射のようす

これらの性質を利用して、放物線の焦点と楕円(もしくは双曲線)の焦点が重なるようにパラボラアンテナおよび楕円(双曲線)の反射面を設置すると、電波は楕円(双曲線)のもう片方の焦点に集まることになります。

このようなアンテナはグレゴリアン・タイプ、カセグレン・タイプと呼ばれています。

数学の無駄遣いのように見えるこの技術ですが、パラボラ部分で反射した電波を直接焦点で受信するより、楕円(や双曲線)で反射させてパラボラ部分に近い場所に受信する機械を設置したほうが重さなどでアンテナ全体が歪むことがないことなど、実はメリットもあるのです。

町でパラボラアンテナを見かける機会があれば、そのアンテナがどのような構造をしているのか観察してみても面白いかもしれませんね。

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