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実に奥が深い「放物線」の数学…あなたの身のまわりにもたくさんあります

注目すべきは「焦点」
好評連載「覚えて帰ろう雑学数学」。今回のお題は「放物線」です。数学の授業以外ではあまり馴染みのない概念だと思われるかもしれませんが、じつは私たちの身の回りには「放物線」がたくさん存在しています。

放物線の意外な共通点

放物線と言われてなにをイメージするでしょうか。漢字の意味を考えれば、「放った物の線」と読めるように、物を投げたときにその物が通る軌跡が放物線の形を描きます。物を投げた軌跡がこのような形になる理由は「重力」が影響していますがその説明はここでは割愛します。

放物線は式で表すと「y=x^2」のようにxの2乗を含み、x^3やx^4など2乗より高次の項を含まないため、一般式としては「y=ax^2+bx+c (a≠0)」と表すことができます。この式で表される式は二次関数ともよばれます。

この放物線に関する興味深い特徴を紹介していきましょう。

図に、3つの放物線を描いてみました。この放物線たちを眺めていて何か発見がありますでしょうか。

それぞれ原点を通り、左から右に向かって放物線の横幅が細くなっているように見えます。ちなみにこれらの放物線は左からそれぞれ「y=x^2」「y=2x^2」「y=4x^2」という式で表されます。

3つの放物線を拡大縮小すると…

では、この3つの放物線を以下のように並べてみるとどうなるでしょうか。

先ほどの図の放物線の大きさを拡大縮小しただけなのですが、よく見比べてみるとある共通点に気づくかもしれません。

実は、3つの放物線がぴったり重なります。つまり「式が異なる放物線は、拡大縮小をすることでぴったり重ねることができる」ということになります。これはどういうことなのでしょうか。

実は「すべての放物線は相似である」という性質が放物線にはあるのです。そう、すべてです。このことの証明自体は数学に対してある程度知識があれば述べることはそこまで難しくはありません。

たとえば、

1.すべての二次関数(放物線)は平行移動および対称移動で「y=ax^2 (a>0)」の式に変換することができる。

2.2つの放物線(A:y=ax^2とB:y=bx^2)を考えて、放物線A上の点(X, aX^2)を原点を中心にa/b倍すると(a/bX, a^2/bX^2)となり、これは放物線B上の点となる

3.Xの取りうる範囲はすべての実数、そのとき、B上にうつしたときの点a/bXもすべての実数をとるので、Aをa/b倍することでBに重なることがいえる

4.よってすべての放物線は相似と言える

という流れで証明ができます。

また、厳密性は欠けますが、中学生でも理解できる簡単な説明の方法もありますので、それも紹介しておきましょう。

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