2021.03.08
# 建築・土木

科学今日はこんな日…利用料は1回10銭、日本初のエスカレーターが上野に登場

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

エスカレーターの発明者は?

1914年の今日(3月8日)、上野公園で開催された東京大正博覧会において、エスカレーターが日本で初めて運転されました。

 

エスカレーターの開発が始まったのは、19世紀の中頃のことです。現在のエスカレーターといえば、階段のような足場と手すりが自動で動くものですが、初期のエスカレーターは三角形の辺に沿って斜めになった足場が動くというもので、安全性にも問題があり実用化には至りませんでした。

19世紀末になると、足場はまだ傾いているものの「動く階段」に近い、エスカレーターが考案されるようになります。そして1899年に、現在のエスカレーターの原型となっている「踏段式自動階段」が開発されました。

初期のエスカレーターの一種。動く歩道を立てかけたようなもので、足場は斜めだった Photo by Getty Images

開発したのは、アメリカ人のチャールズ・シーバーガー(Charles D. Seeberger、1857-1931)です。彼はオーチスエレベーター社という会社と共同で足場が地面と平行なエスカレーターを開発し、パリ万博に出品。一等賞を獲得したのです。

ちなみに、オーチスエレベーター社の創業者エリシャ・オーチス(Elisha Graves Otis、1811-1861)は、エレベーター落下防止装置の開発者でもあります。実はエスカレーターが開発されている時代、エレベーターはすでにできていたのです。

エリシャ・オーチス Photo by Getty Images

エスカレーターはエレベーターと違って連続的に動くことから客を安全に降ろすのが難しく、実用化が遅れていたのです。そこでシーバーガーは自身のエスカレーターを改善し、今まで横方向から乗降していたものを真っ直ぐ乗降できるようにしました。これにより、ほぼ現在と同じ形のエスカレーターが完成します。

そして1914年に、海外の技術を取り入れ、日本でもエスカレーターがお披露目されたのです。冒頭でご紹介した東京大正博覧会は、日清・日露戦争で勝利した日本の勢いを誇示する目的があり、その一環で「我が国最新の自動階段」が登場しました。高さは約10mで、一度乗るたびに10銭を徴収したのだそうです。

現在のエスカレーターは、クラウドサービスを活用し、人が来ていない時には動作を停止して省エネに努めるなど誕生から100年以上経った現在も改良が続けられています。

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