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トランプ氏「永久アカバン」でいよいよ本格化した「ネットの未来」をめぐる議論

「セクション230」とは何か

アメリカでは今、インターネット企業の行く末を占う動きが本格化しつつある。前回ならびに前々回に触れた、GAFAをめぐる独占やプライバシーについての議論もそのような動きの一部だが、ここにきていよいよ、そもそもインターネット企業がここまで成長することができた条件、エコシステムとしてのインターネットの存立を決めた条件についての議論にまで遡ることになった。

キーワードは「セクション230」。その詳細についてはあとで触れるとして、この議論は意外なところから再燃した。2021年1月6日に起こったアメリカ連邦議会議事堂襲撃事件である。

この事件が、アメリカ社会にとって痛ましい出来事となったことはいまさら説明は不要だろう。その結果、1月20日に行われたジョー・バイデンの大統領就任式は、要塞と化したワシントンDCで行われることになった。

だが、インターネットを利用する世界中の人びとにとって、よりリアルで重大だった出来事は、議事堂襲撃事件の直後に起こったトランプ前大統領のアカバン、すなわち、TwitterとFacebookのアカウントが停止されたことだったのではないか。

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トランプがTwitterやFacebookから締め出された理由は、直接的には、彼のツイートによってさらなる暴動――具体的にはバイデンの就任式に対して――が引き起こされる可能性が懸念されたからだった。暴動の再発を恐れるユーザーや社会の漠たる懸念、さらには足下の社員からの抗議の声もいよいよ無視できなくなった。続いてYouTubeなど他のソーシャルメディアもTwitterやFacebookの判断にならい、トランプのアカウントの停止を公表した。

基幹アカウントだった@realDonaldTrumpを停止されたトランプは、部下や知人のアカウントを使ってツイートを継続しようと試みたが、そうしたアカウントも即座に停止された。やむなく新興のParlerという、主には共和党支持の保守系ユーザーが利用する「保守版Twitter」を利用しようとすると、今度はAppleとGoogleが揃ってアップストアからParlerを締め出し、新規ユーザーが増えないようにした。さらにはAmazonが、AWSでのParlerのホスティングを停止させ、既存Parlerユーザーの間でのコミュニケーションも阻み、元栓を締めるに至った。こうして、トランプの肉声=ツイートは、インターネット上からかき消された。

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