「朝鮮半島非核化」に本腰を入れ始めた米バイデン政権が目指す未来

「北東アジア非核兵器地帯」構想(後編)

⇒前編から続く(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79920)

「米国は誰であれ変わらない」

朝鮮労働党第8回大会が、1月5日~12日に開催された。

移動が大変な極寒期に全国から幹部・代議員と傍聴者約7000人を平壌へ集めて、この時期に開催したのには大きな理由がある。それは米国の新政権発足の直前に、対米基本姿勢を改めて示すためだ。金正恩(キム・ジョンウン)氏は10日には総書記に就任し、3日間に9時間もかけて事業報告を行なった。

労働党大会で報告する金正恩総書記(「朝鮮中央通信」より)

「朝鮮労働党と人民にとって国家核戦力建設の大業を完成するのは、われわれの理想である強力な社会主義国家建設の行程で必ず、優先的に占領すべき戦略的かつ支配的高地であった。

世界で最初の核使用国であり、戦争の首謀者である米国によって国土と民族が分裂し、この侵略勢力と世紀をまたいで長期的に直接対峙している朝鮮革命の特殊性とわが国家の地政学的特性は、人民の安泰と革命の運命、国家の存立と自主的発展のために、すでに始めた核戦力の建設を中断することなく強行に推進することを求めた」

つまり、核保有国であり軍事的に敵対している米国から国を守るために、国の最優先課題として核兵器開発を推進してきたというのだ。そしてさらなる多様な核兵器の開発を宣言している。

「核兵器の小型・軽量化、戦術兵器化をさらに発展させ、現代戦における作戦任務の目的と打撃対象に応じて様々な手段に適用できる戦術核兵器を開発し、超大型核弾頭の生産も持続的に進めることによって、核の脅威がやむなく伴われる朝鮮半島地域における各種の軍事的脅威を、主動性を維持しながら徹底的に抑止、統制、管理できるようにすることである」

「党創建75年」に登場した新型ICBM(「労働新聞」より)

また自らの核兵器の使用について「われわれが最強の戦争抑止力を備蓄し絶えず強化しているのは、われわれ自身を守るためであり、永遠に戦争のない真に平和な時代を切り開くためである」とし、「わが共和国は責任ある核保有国として侵略的な敵対勢力がわれわれを狙って核を使おうとしない限り、核兵器を濫用しないということを今一度確言する」と述べた。

これは北朝鮮がさまざまな機会に、自国の核兵器開発は「戦争抑止力」であり「先制使用はしない」と繰り返してきたことを改めて表明したものだ。

「対外政治活動を朝鮮革命発展の主な障害、最大の主敵であるアメリカを制圧し屈服させることに焦点を合わせ、志向させていかなければならない。アメリカで誰が権力の座についても、アメリカという実体と対朝鮮政策の本心は絶対に変わらず、対外活動部門で対米戦略を攻略的に樹立し、反帝自主勢力との連帯を引き続き拡大していかなければならない」

 

このように、米国への対応が最大の外交課題であることと、米国に対する最大限の警戒心を表明している。バイデン政権は、北朝鮮が建国以来続けてきたこの基本的な対米姿勢と向き合うことになる。

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